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裏切られ続ける想い
それはすでに熱く反り返って欲望を表している自身。
太ももを撫でていた手が前に回って、それを掴むと同時に、「……が」と呼んで耳を噛んだ。
名前を呼ぶかすれた声に、くらくらと眩暈を感じるほどに、身体は火照って握られたそれは度量を増す。
「だ、駄目」
なんて抵抗しても、それを振りほどくこともできなくて、甘えただけになってしまう。
握り込まれたそれを擦りあげられて、膝から力が抜けて崩れ落ちそうになるのをで支えられて、壁に背中を押し付けられた。
と、同時に噛み付かれた。
というか……口を塞がれた。
驚きに声を上げる前に舌が吸われて絡まれた。
唇を合わせたまま角度を何度も変えられて、舌を吸われて甘噛みされて俺の舌も絡まる。シャワーの流れる音とぴちゃぴちゃといういやらしい音が木霊する。
「……んんっ……はっ……」
捕まれた自身と舌の動きと、身体を撫でる手に翻弄されて俺はあっけなく白い白濁を勢いよく吐き出した。
「はぁ……はぁ……」
荒い息を付きながらズルズルと壁を伝って、狭いシャワー室の床に座り込んだ。そのまま壁に手を付いて立っている桃香先輩を見上げていると、濡れたシャツのボタンを外し始めた。
天井の電気が逆光になっているが、欲情して眉間に皺を寄せた表情ははっきりと見える。
互いの荒い息遣いが狭いシャワー室に木霊している。
『バチャン』
音がしてシャツが俺の足元に落ちて雫が跳ねた。続けてずぶ濡れのTシャツが脱ぎ捨てられた。
「……桃……ん……」
屈み込んだ桃香先輩が再び激しく口付けをして来て見上げたままその首に両腕を伸ばした。
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