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裏切られ続ける想い

桃香先輩の手が俺の両膝を押し広げて、そこに身体を押し入れてくる。 その手が強く掴むように内腿を撫でて、再び出したばかりのそれを掴んで上下に擦りあげた。 口づけを解かれて、顎から首、鎖骨を舐めるようにして唇を離さずに刺激していく。 首に回した両手で、刺激を受けるたびに引き寄せてしまう。 『和臣ぃ~?』 誰っ。 シャワー室の外から桃香先輩を呼ぶ声がしてビックリして手を止めてその肩を押しのけると、桃香先輩は眉間に皺を寄せたまま顔を上げた。 『和臣―っ』  再び呼ぶ声にため息を吐いてシャワーに手を伸ばして顔を洗うと、「立て」と俺の肩を掴んで立ち上がらせた。快感の余韻にふらふらした俺を支えてくれる。 『和臣ぃ~』 桃香先輩を名前で呼ぶのは梓先輩だけだ。 どうして、部屋から梓先輩の声が聞こえるのだろうか。 俺を脱衣場に連れ出すと床に座らせて大判のバスタオルを広げて俺に巻きつけた。桃香先輩もバスタオルを肩に羽織って、俺に背を向けて濡れたズボンを脱ぎ捨てて1人で出て行ってしまった。 熱に火照って熱い。 立ち上がろうとするけど右足が痛む。周りを掴んで右足を庇って立ち上がる。タオルで身体を拭くとキャビネットから下着を取り出して着込んだ。 脱衣所の洗面所の鏡に自分の身体が写った。腕やわき腹、太もも辺りが赤く鬱血していた。所々かすり傷もある。 右足は思うように動かせないし、そこからドクンドクンと痛みが広がっている。それにさっきよりも赤く腫れているような気がする。 『カチャン』

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