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『声を聞かせて』
「ここ、弱いな」
その声は更に低く掠れている。
確認するように言われて、前にシャワー室でイカされたことを思い出した。それは身体に残された記憶。甘く蕩ける。
「力抜いてろ」
言われる言葉を理解するよりも先にその指先が俺の尾孔にもぐりこんだ。いつの間に用意したのか滑る液体を纏った指が中に入り込んでくる。
その異様な感覚に眉を顰める。
口付けや性器を同時に弄られて痛みは無いけど、神経はそこに集中してしまう。
異様な感覚に囚われながらも、徐々にそこを広げられて、指が2本、3本と増やされていく。
「もう……もうやだ」
身体は昂ぶっているのに、そこを弄られる感覚にイクことをせき止められているようで、もどかしさにどうにかなりそうだった。
それに、そんなところを念入りに弄られる羞恥心が限界だった。
「もう少し」
首を横に振って、スンっと鼻を鳴らした。
「もう少し我慢しろ」
「やだっ……もう嫌」
駄々を捏ねるように俺は暴れた。
桃香先輩は、「後で恨むなよ」なんて言いながらその指を抜いた。まだ履いたままだったジーンズと下着を脱ぎ捨てる。
肌が触れ合う感覚に安堵のため息が漏れる。
なのに、その熱い塊が尾孔に触れると身体は緊張に囚われた。
「やめる?」
意地悪な口調で桃香先輩は見下ろしている。
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