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『声を聞かせて』

ピチュッという音と共に胸の突起を吸い上げられて、甘い声を吐き出した。  手の動きと胸への刺激と連動して腰を揺すられる。痛みが徐々に快感へとすりかえられていく。甘く溶け出した身体は力が抜けて、目を開けていられないほどの快感に仰け反った。  「響」  「ぁあっ……も、呼んで」  快感に押し流されるように、その声を求めた。        真夜中に目が覚めた。  うっすらと明けた視線の先に小さな明かりが見えた。部屋に差し込む光のライン。  ゴソゴソと起き上がろうとして「ってぇ…」と呻いた。  「響?」  扉の向こうから声がして、光の線は大きくなって桃香先輩が入ってきた。  「響? どうした?」  掠れた声が俺の名前を何度も呼ぶ。  「……腰っていうか……身体痛い」  「ああ……ごめんね? 大丈夫?」  言いながらうつ伏せに転がっている俺の背中を撫でた。  「……別に、謝らなくても……いい」  「そう」  その背中を撫でる手が腰を撫でる。布団の間で動くその手がくすぐったくて、身を捩る。  先輩は寝巻きなのか濃紺のシャツを着ていた。  「何してたんですか?」  「ん? 休み明けの全校集会の資料作り。相良達出かけたからね」  言いながら俺の横に入り込んでくる。  入り込んで俺の肩に自分の顎を乗せるようにして圧し掛かってくる。  「…ったいって身体痛いんだって」  「慣れれば大丈夫だろ」 

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