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『わがままな情緒』
「せんぱ……」
もっと、奥まで……そう望んで、口に出しそうになって、羞恥に唇を噛むと、指先が触れる。
「どうした?」
噛んだ唇を解かれた。
「んあっ……あ……」
解いた唇に唇を寄せると必然的に結合は深くなる。グッと押し入られて、望んでいたはずなのに首を横に振った。
もう、痛みなんて感じない。焦れる方の疼きが強くて、その声に煽られて、快感に流される。
「桃香っ先輩っ……ああっ……あ、やぁあ」
「気持ちよくなってろ」
言いながら桃香先輩は本格的に腰を使い出して、俺は流されるままに甘い声を溢し続けた。
「……ほら、腕貸すから」
「…う、うん」
事がすんでぐったりした俺を桃香先輩は引き起こす。まだ甘い痺れの残る体は力が入りきれなくて簡単に引き寄せられた。
放ったものと汗でベタベタになっていて、シャワーを浴びたいのは確かだけど、「休みたい」と呟いた。
だけど、桃香先輩は「そのまま寝るだろ」と、俺を引き起こす。
ベッドから引き摺り降ろされて腕を引かれてシャワー室に連れて行かれた。狭いシャワー室に2人で入ると身体は触れ合う。
「響。座るなよ」
今にも座り込みそうな俺を桃香先輩が支えて、温いお湯をかけられた。
「じ、自分で洗う」
泡立てたスポンジを奪おうと手を伸ばしても、「俺がしたい」と言って聞き入れてくれない。暴れると滑るのは前回勉強済みで、「大人しくして」と耳を甘噛みされるとさっきまでの快感を呼び起こされて大人しくその腕の中に納まるしかなかった。
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