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それぞれの「初めて」⑥/蓮二さんのもう一つの顔
あの時とは打って変わって恥じらう表情を見せる蓮二さんに俺は小さな加虐心を掻き立てられる。あんなに男前で、俺でさえタジタジだったのがまるで嘘のように今日の蓮二さんは可愛く見えた。
俺に抱き竦められ小さくなっている姿に興奮が増す。「好き」が溢れて止まらなく、馬鹿みたいに何度も何度も愛を囁いてしまった。蓮二さんは感じやすいのか、まだ触れてもないのに恥ずかしそうに嬌声を漏らす。俺はそれに益々嬉しくなってこれでもかというくらい蓮二さんの体を弄った。
昂る気持ちを抑えつつ、蓮二さんの秘部に指を立てる。きっとここは今まで誰にも触れられたことはないのだろう。蓮二さんの体がびくっと震えたのがわかった。
「少しづつ……ね? 蓮二さん、痛くない? 大丈夫?」
俺のいうことを素直に聞き、全てを晒してくれていることがとにかく嬉しい。
今まで「抱く側」だった人間が、組み伏せられ好きなようにされている事に抵抗心だってあるだろう。それなのにローションを纏った俺の指がいとも簡単に蓮二さんの中に飲み込まれていく事実に堪らなくなった。俺のために準備だって完璧にしてくれていた蓮二さんが今更ながら愛おしくてしょうがなかった。
「はぁ……好き。蓮二さん、好き……」
指を蓮二さんの中に沈めたまま、俺は目の前の滾りに口をつける。前回蓮二さんにしてもらったことをそのままお返しとばかりに咥え込んだ。驚いたように「あっ」と小さく聞こえたけど、俺は構わず強引に口淫を続ける。「やだやだ」と子どものように首を振りながら蓮二さんはあっという間に俺の口の中で果ててしまった。
「……まさか飲んだ? のか?」
「ん? うん」
飲み込むことに何の抵抗もない俺に対し、蓮二さんはこの世の終わりかのような目を向ける。その大真面目な顔が面白くて、俺は思わず笑ってしまった。
「もう、蓮二さんったら。どんだけ可愛いんだよ。ほら……」
顔を見ると涙が溢れているのに気がついた。俺はその涙をキスで拭うともう一度蓮二さんを押し倒す。ゆっくりと蓮二さんの中に俺自身を侵入させると、今度はさすがに苦しく感じたのか蓮二さんから大きな声が漏れた。
「大丈夫? 辛くない? あぁ……蓮二さん、気持ちいい……」
「んっ、あっ……あっ、あっ……んん……んっ」
いちいち初々しい反応を見せ、声が漏れるのが嫌なのか必死に堪えているのがわかる。あられもない蓮二さんの姿に興奮しきりな俺は、途中から蓮二さんを気遣うことも忘れて思うままに腰を揺らした──
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