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第6話

「ひっ!」  白いブリーフの中に入れた手を露骨に動かして、既に硬くなった棹を握りこむ。下着は脱がせずに、皮をずらすようにしごく。 「っあ、……あう、……うう……、ぃ……!」  くちゅくちゅと微かな音が聞こえてきたかと思うと、指先が濡れてきた。下着の中は熱くて蒸れている。明らかに手のひらの中で形を変える性器。たまらないといったように、芳村さんがおれの服をつかんだ。もじもじと両膝をこすり合わせる。眉を寄せた恥じらいの表情が嗜虐心を煽る。  おれは芳村さんの耳元に顔を寄せて囁いた。 「どうですか、おれが好きなら、もうたまらないはずですよね? ほら、我慢せずに出しちゃっていいんですよ」 「ひぅっ……、っえ……、なんで、そんな……意地悪、言うん……、……っああ!」  下着の中で、芳村さんが射精するのを感じた。じわり、と下着にしみが出来る。下着から手を抜き、汚れた指を見せ付けるように舐め取る。芳村さんの味がした。  芳村さんは真っ赤になった顔を隠すように、両腕で顔を覆った。 「っえ、ぐ……、ひどい……助手がひどい……」 「ひどいとは心外ですね。芳村さんが妙な絡み方してくるからでしょうが」 「違! 小生、本当に結婚してほし──」  ゴン。  思わず拳骨を芳村さんの脳天に振り下ろしてしまった。かなり痛かったのだろう、腕で顔を隠していたことも忘れて、芳村さんは両手で頭を押さえた。おれはそれでようやく、芳村さんの目元に泣いた跡があることに気がついた。 「な、泣くほど痛かったんですか……」 「え、……うわ! 見られた! 小生見られた! もうあかん! 年上の面目丸つぶれ!」  どうやら殴られて泣いたのではないらしい。とすると、羞恥で泣いたという……ことで…… 「え? もしかして芳村さん、おれのこと本当に好きなんですか」 「ええー……だから最初に……」 「え? あれ本気だったんですか? おれが好きとか、頭大丈夫ですか?」 「なんで好いた相手から頭の状況を心配されなあかんのやろう……」

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