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クラス一地味な俺とクラス一派手なギャル

「で、何があったの?」佐々木さんがポテトを口に運びながら口を開く。 何故か俺は佐々木さんと二人でマックにいた。 友達がおらず学校が終わったら一人でふらふらするか真っすぐ家に帰る俺がこんなに派手なクラスメイトと二人でマックを食べることになろうとは誰が想像しただろうか。周りも異様な組み合わせだと感じているのかちらちら視線を感じる。 しかし、腹が減っては戦ができぬ。昼休みに例の騒動のせいで昼食を食べ損ねた俺はチーズバーガーにかぶりつきながら答える。 「話せば長くなるんですけど、簡単に言うと告白でした。」 「ふーん。やっぱり。」佐々木さんはあまり驚いてないように言う。 「あんまり驚かないんですね。」 「だって、今朝あんたを探してる目的聞いたもん。惚れた女の子を探してるって言ってたし。男と知っても告白してきたのは少し意外だったけど。」 「俺どうしたら良いのでしょうか?」俺は平然と答える佐々木さんに聞く。 「なんでアタシに聞くのよ。あんた達の問題でしょ。」佐々木さんが眉をひそめる。 「いや俺告白したこともされたこともないですし。ましてや男から告白されることもないです。こんなこと相談できるような友達もいないです。」俺が淡々と述べると佐々木さんは溜息をついた。 「まあ、もとはといえばアタシが女装させちゃったことがきっかけでもあるしね。でも、こればっかりはあんたがどうしたいかによると思うけど。」 俺がどうしたいか。俺はどうしたいんだろう。 「男同士で付き合うとか以前に俺は桐生さんのこと何も知らないから、いきなり桐生さんの女になれとか言われても困ります。でも・・・。」 あれだけ真剣に気持ちを伝えてくれた人の気持ちをばっさり切り捨てることはできないと思った。俺は単純に嬉しかったのかもしれない。初めて自分のことを好きだと言われて。 黙ってしまった俺に佐々木さんが声をかける。 「友達としてとりあえず付き合ってみれば?あんた人付き合いの経験が圧倒的にないのよ。あんたクラスの人達とも必要最低限しか会話しないじゃない。いい機会だと思って友達増やす努力してみたら?」 「佐々木さんは凄いですね。」 「は?」佐々木さんが俺の唐突な言葉に訳が分からないというようにこちらを見る。 「佐々木さんは他人のこと、よく見てますね。そして、優しい。」 俺は感心して言った。佐々木さんは凄い。クラスが一緒になったときからその社交性と物怖じしない性格は尊敬していたが、クラスで地味で目立たない俺のことさえよく見ているし、そんな俺にもアドバイスをくれる優しさを持っている。今朝の藤ヶ丘の不良に声をかけて、俺のことを教えたのも慣れない場所で当てのない人探しをしていた彼らへの優しさだろう。 昨日俺に唐突に女装をさせたのも、入学して半年たってもクラスに馴染もうとしない俺のための優しさだったのかもしれない。 「はぁ?何言ってんの。」佐々木さんは不機嫌そうに言うがその顔は少し赤い。 その時、スマホのバイブが鳴った。確認すると桐生さんからだ。 『日曜の10時に藤ヶ丘高校まで来てほしい』 シンプルなメッセージが入っていた。 『了解です。』 俺はメッセージを返した。 「佐々木さん。日曜日に藤ヶ丘高校に乗り込んできます。」 「まあほどほどに頑張って。」佐々木さんが残りのオレンジジュースをストローで吸い上げた。 「ついてきてくれません?」そんな佐々木さんに対して、俺は情けなく言う。 「まみ達と買い物行くからパス。」速攻で断られた。 リア充め。

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