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不機嫌なヤンキーと年中発情期な御曹司の欲求不満

「律樹、あのチビ、仮にも蓮が告白した奴だぞ。やめとけよ。」 チビが帰って、蓮と悠斗が出かけて、俺は目の前の律樹に言った。 「誠くんのこと?いやぁ新くんが来てくれて助かったよ。あのままだと本当にヤっちゃうとこだった。」 「趣味悪。あんなチビによく興奮できるな。」 「だって誠君可愛いじゃない。この学校にいるギラギラした子達と違って無害で大人しくて。性欲なんてありませんって顔して。そういう子が乱れている姿想像してごらんよ。」 全然分からん。 「それに、僕も嫌がって抵抗するかと思ってたんだけど、全然抵抗しないんだもん。おどろくほど受け入れてるからびっくりしちゃった。」 確かにあのチビは律樹にされるがままだった。かといって興奮している様子もなくて、ただ律樹のすることを黙ってみていた。 「鈍いだけじゃね。」 「そうかもね。だって僕が触っても全然固くならないし。反応しないし、マグロだった。耳はちょっと弱いかも。」 「そういう情報はいらねぇ。でも最終的には俺のほう逃げてきたじゃねぇか。お前の隙みて逃げるつもりだったんじゃね。」 「そうなんだよね。でも、それだとえらく冷静だよね。しかも、新君のほうに逃げるなんて。最初に会ってスキンシップしたときも思ったけど、たった2回あっただけの同じ高校生とはいえ藤ヶ丘の生徒に警戒心がまるでないよね。」 そういえばそうである。 大体他の学校の生徒や大人達は俺らの制服をみてビビる。あからさまにビビる様子を見せなくても警戒心はある。それに加え、特に強面の蓮やいかにもヤンキーな俺は怖がられることも多い。しかし、あのチビはどうだったか。高校に殴りこみに行った時も、怒っている俺に対しても案外冷静だった気がする。蓮が告白する時はその迫力にのまれていたが、告白された後は普通だったし割と真剣に考えていた。俺らの高校に初めて来た時も美味いクッキーなんか持ってきたし、藤ヶ丘高校に来たにしてはそれなりにくつろいでいた。おそろしく神経が図太くて鈍いのだろう。 「新君、誠君が新君のほうにしがみついてきたとき可愛いなって思ったでしょ。」 「・・・・・・。別に可愛いとは思ってない。」俺なんかのほうを頼ってきたから驚きはしたが。それほど嫌でもなかったが、嬉しかったわけでもない。むかつくチビが少しむかつくチビになったくらいだ。 「あぁ冗談のつもりだったのに、本当に誠君とセックスしたくなっちゃった。手に入りそうで入らないものほど欲しくなるって本当だね。あんなに受け入れてくれていたのになんの反応も示してくれなかったんだもん。あのまま続けていればどういう反応してくれたのか。気になりすぎて眠れないし、欲求不満。誠君の誠君を固くする前に僕のほうが固くなっちゃった。新君セックスして。」 「断る。あとそのこと絶対蓮には言うなよ、血の雨が降るぞ。」 「蓮君に喧嘩を売るような真似はしないよ。それに、僕より蓮君のほうが脈あると思うけどね。屈辱的なことに、誠君、俺が耳を舐めてもなにも反応しなかったのに、蓮君が耳元で囁いただけで赤くなっちゃって。」 「ざまぁねぇな。」 蓮の欲しいものに手を出すからだ。蓮とチビの関係にはいまだ納得はしていないが、蓮が欲しいものを律樹が横から奪うのはもっと納得いかない。 なんにせよ男だらけの三角関係なんて御免である。

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