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クラス一地味な俺とクラス一派手なギャルの恋バナ
「で、最近どうなの?あいつらのところ行ってんでしょ。」佐々木さんがポテトを食べながら聞いてくる。
文化祭の準備で遅くなった俺達は2人でマックを食べている。ここでいうあいつらとは蓮さん達のことである。佐々木さんは何故か藤ヶ丘の生徒会のことも、蓮さん達が生徒会に入っていることも俺が話さずとも知っていた。
「最近は文化祭の準備であまり行けてないですが、みんな優しいですよ。生徒会室に俺専用の本棚できました。」
律樹さんが作ってくれた。今ちょうど読みかけている本があるから文化祭が終わったらいかなくてはならない。
「桐生に告白の返事はしてないの?」
「それなんですよね。問題は。」
「もう1か月もたつじゃない。何ずるずる引き延ばしてんのよ。」佐々木さんが驚きの声を上げる。
おっしゃるとおりだ。
「いや、なんか、蓮さん達と一緒にいるうちに今の関係が居心地がよくてずるずると・・・・。」
「しかも、蓮さん俺のこと本当に好きみたいで。」
これは大きな誤算である。
自惚れでもなんでもなく、蓮さんは俺のことが本当に好きらしい。本当に何で俺なんかを好きになったんだ。なんとなくいまだに聞けていない。
「あんたは?桐生のこと好きじゃないの?」
俺は蓮さんのことどう思っているんだろう。
蓮さん達と一緒にいるのは楽しいし、友達としては好きだと思うけど。恋愛としてはどうなんだろう。しかし、恋愛の好きとはなんだ。
「よく分かりません。恋愛は俺にはちょっと早すぎる気がします。」
「恋愛に早いも遅いもないわよ。覚悟決めてないだけでしょ。」
厳しい。
「佐々木さんは付き合ったこととかあります?」
「アタシは理想が高いの。」
ないのか。
「どういう人と付き合いたいとかあるんですか?」
「・・・。アタシを助けてくれる人。」
それは確かに理想が高い。勉強もスポーツもなんでもできる佐々木さんはみんなを助ける側のほうが多い。佐々木さんの助けになるような優秀な人ってなかなかいないだろう。
「それはなかなかいないでしょうね。」
俺の言葉に佐々木さんが溜息をつく。
「アタシのことはどうでもいいのよ。桐生といてときめくこととか、嫉妬することとかないの?」
「うーん。どうなんでしょう。」
蓮さんといてときめくこと。多少動揺することはあるけどあれはときめいていたのだろうか。
「桐生が自分のこと好きじゃなくなって、他の子と付き合いだしたら?」
「それは、俺なんかと付き合うよりは蓮さん的には良いと思いますけど。」
ようやく目が覚めたかと思うだろう。俺なんかより蓮さんの彼女にふさわしい人はいっぱいいるだろう。
「蓮さんがじゃなくてアンタがどうかを聞いてんの。桐生が他の子と付き合って、アンタはショックじゃないの?」
「どうなんでしょう?蓮さんが他の子と付き合ってみないとなんとも言えないです。」
はぁと佐々木さんが二度目の溜息をつく。
「文化祭。」
「え?」
「文化祭に桐生を誘いなさい。」
佐々木さんはこう言っているが、文化祭に蓮さん達来てくれるだろうか。友達を誘う。俺が今までしてこなかったことだ。
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