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「……はぁ、これが恋……好きって気持ち、か…」  その日の放課後。  いつも通り部活に精を出していた藤枝の姿をしっかりと目に焼き付けてから、俺は自宅へと戻り、自分のベッドにゆっくりと腰をかけた。 「…今日も藤枝、頑張ってたな……っ、かっこよかった……」  自分の恋心を自覚した途端。  今まで戸惑っていたのが嘘みたいに、ポロリとそんな言葉たちが口から漏れ出していく。  でも、仕方ない……だって、本当にかっこよかったんだから。  一生懸命応援をして、真面目に雑用をこなして。下手ながらも、頑張ってボールを蹴って追いかけて。 「っ……全部が、かっこよく見えてヤバいっつーの…」  ドサリっ、ベッドに倒れながら、今日一日のアイツの……いつぐのことを思い出す。  そうして、思い浮かべながら、 「……いつ、ぐ…いつぐ……っ、いつぐっ…」  下の名を口にすると、昨夜のアノ出来事が脳裏に鮮明に蘇ってきて―― 『――矢代? どうしたの? ……ああ、また、うずいてきちゃったんだ…?』 「っっ!! ……あっ、いつ…ぐぅ…♡」  ズクリ、  ……気づけば俺の制服越しの股間は、反応を見せ始め。  「っ、」俺はカチャカチャと急かすようにベルトを緩め、自分の息子を取り出した。 『ははっ、やっぱりちんこ勃起してたみたいだ。……ほら、ゆっくり握って…ゴシゴシしてみよっか?』 「んあっ♡ っ……いつぐ、俺のちんこっ…もうこんなにっ…あっ、んんん…♡♡」 『ゴシゴシって…そう、矢代はちんこ擦るの上手だね…ふふっ』 「はぁぁ…♡ っ、ちんこっゴシゴシって…ああっ、ダメだっ…そこダメぇ♡♡」 『いっぱい我慢汁も出てきたよ? ちんこ気持ちいいんだね、矢代』 「っ、気持ちいいっ…♡♡ あんっ気持ちいいからぁっ…いつぐぅ♡♡♡」  今までほとんどオナニーをしてきたことがなかったのが嘘のように、俺はベッドの上で布団をぐちゃぐちゃにさせながらも、どんどん乱れていく。  昨夜と同じく、オンナのような喘ぎ声をあげながら。 「ふっ、いつぐっ……おれのっ、俺のちんこ触ってぇいつぐぅ……♡♡」  妄想の中のいつぐへと、俺は口端から涎を垂らさせつつも懇願し。 『ふふっ、いいよ。矢代の勃起ちんこ……オレがたっぷり可愛がってあげる』 「っ…♡♡♡」  現実のアイツが絶対に言わないであろう、俺に都合の良い台詞を吐かせていく。 『ここかな? 確かキミのイイ場所は……ああそうそう、ここだっ』 「ああああっ…♡♡ んあぁ、そこっ♡ そこ気持ちいっ…♡♡」 『やった、正解っ。ははっ、えっちな音すごいなぁ……ね、矢代?』 「っ……だって、いつぐがぁ…ああん♡♡ っ、ちんこぐちゅぐちゅ止まらないっ…いつぐぅ♡♡」 『ぐちゅぐちゅ気持ちいい? ……ふふっ矢代かわいい』 「っ!! んああっ…♡♡♡」  勝手にかわいいと言わせ。  男なのに、その言葉にますます喜びで身体を熱くさせてしまっている俺は……もうたぶん、後戻りできない領域にまで来てるんだろう。  それでも、 「ああっ、はぁ……っ、いつぐっ…おれ、俺もう…♡♡」 『もう…イきそう? じゃあ、また一緒にオレの手で…イこっか?』 「っ、イクっ…ああっ、いつぐの手で俺っ…イクっ、イクイクっ♡♡♡」 『――疾風、オレで気持ちよくなって?』 「んああああっ…♡♡♡」  びゅくびゅく、びゅるるるっ、どぴゅ、  またも俺は、昨夜と……いや、昨夜よりも大量の精液をぶちまけて、荒い息をしながら、さらにベッドに深く沈みこんだ。 「――あ、」  横に顔を向けると、遼太郎からまだ借りたままの、『イナズマプリンス!!』というサッカー漫画が、ふいに視界にチラリと入った。 「……ふ、ほんと遼太郎のいう通り……好きなヤツを想ってするオナニーって、気持ちいいのな…」  そう言って笑い、俺はまた、アイツの姿を思い浮かべる。  後戻りできない領域でもかまわない。  だって、俺は―― 「っ、いつぐ……好きだ、大好きだ……」        生まれて初めて、こんなにも幸せな想いで自分のすべてが満たされるということを、知ってしまったのだから。 

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