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「――…また、いつぐとしゃべれなかった…とか、俺…どんだけヘタレなんだよ……っ」
結局その後もいつぐとは会話を交わすことはできず、俺は今日も虚しさと悲しみを抱えたまま、自宅の部屋のベッドへと深く沈む。
「試合頑張れよ」の数文字もきちんと言えず、よくわからない言葉で濁してしまったあの朝のシーン。
別に扉の真ん前にいたわけじゃねぇし、普通にいつぐも通れただろうに、俺は何を頓珍漢な台詞を吐いてしまったんだか……ああ、絶対いつぐに変なヤツだって思われた。
「……はぁ、っ、でも……」
自分の情けなさに大きな溜息を漏らす。
しかし、いつぐとまたもしゃべれなかった事実に嘆くと共に……俺は、スリっ…と、太もも部分を軽く擦り合わせる。
……そう。
いつぐとまったくしゃべれない問題の他のもう一つの問題――というか、いつぐとしゃべれないからこそ、それに反比例するかのように、
「……ふぁ、んんっ…♡♡」
俺は自分でも信じられないほど、ちょっとしたことで一人で自身を慰める、オナニーをする頻度が上がってしまったのである。
「っ、あの、シーってしたいつぐっ…かわいかったな…んあっ、ああっ♡♡」
カチャカチャとベルトを急いで外し、下着の上から軽く緩く勃ちあがった息子を揉んでいく。
すぐに反応を見せたソレを中から取り出し、先っぽをグリグリと刺激し。
「あああんっ…♡♡ あっ、先っぽ、さき気持ちいい…っ♡」
オンナと付き合っていた時代の、どちらかというと淡泊であった以前の自分が嘘であったかのように、少し弄っただけでも俺は甲高い声をあげ、卑猥な台詞を自ら進んで口にする。
もう、オンナのような嬌声を自身が発していることについては、すっかり抵抗をなくしていた。
「ふ、ぅん…乳首っ、乳首もぉ♡♡」
右手でチンコの裏筋を上下に擦りながら、左手はボタンを外し露わになった乳首をクリクリ、ぎゅむぎゅむと強く摘まむ。
オナニーをしているうちに、いつのまにか胸でも快感を得るようになってしまった自分。
最初はただくすぐったかっただけなのに、
『ふふっ、矢代の乳首はちっちゃいなぁ……オレの指じゃ摘まむのが大変だよ、ほら』
「んあっ♡ っ、ダメ、もっと…もっと強く摘まんでぇいつぐぅ…♡♡」
『強くってどのくらい? …このぐらいならどうかな』
「ああああっ…♡♡♡ あっ、それイイっ♡ あぅもっと強くぅ♡♡」
妄想の中のいつぐに触られてると思うだけで、俺の乳首はピンっとなり固さを増していく。
『うん、いっぱい感じてきたね。じゃあ次は……んちゅ、』
「ひゃぅっ…ああっ、いつぐぅ…いつぐが俺の乳首、っしゃぶってる…♡♡」
摘ままれ、舐められ、舌で転がされてると思う度に、どんどん乳首だけでも感じるようになり。
「んんっ、あっ、あっイク♡♡ 乳首グリグリとちんこゴシゴシでもうっ…ぁん、いつぐっ、あああっ♡♡♡」
びゅびゅっ、びゅううぅぅっ、
つま先を強くピンっとさせ、アイツの名前を呼びながら、俺は早くもたっぷりと白濁の液を周りに舞い散らせていた。
「っ……ん、あふ……はぁ、んっ、いつぐぅ…♡♡」
ただ、これだけでは終わらない。
そう俺は、
ぐちゅ、じゅぷっ
「んあああっ…♡♡」
『はは、矢代のお尻の穴…もう準備万端じゃないか。オレの指、すっぽり挿入っちゃったよ?』
胸と前だけではなく、後ろ――アナルでも、いつのまにかオナニーをするようになっていたのである。
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