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28 「地味メンなオレのことを大好きなクラスメイトのイケメンが、何故かエロ可愛くて仕方ないんだが♡」
生まれて初めてしたキスはちょっと痛くて、二回目にしたキスは――何故だかすごく、甘い甘い味がした。
「んん、んぁっ…♡」
「ふ、は……ん♡」
ぷにっと、柔らかいマシュマロのような感触が自分の唇にくっついてる心地よさに、オレは目を瞑りながらも酔いしれる。
……気持ちいい。キスって、こんなに気持ちいいものだったんだ。
一度目は勢い余って歯と歯がぶつかるハプニングが起きちゃったけど、今度はうまくキスできたみたいでほんとよかったと、密かに安堵する。
それにしても、疾風くんの唇すっごく柔らかいなぁ。
わかんないけど、大体みんなこのぐらい唇って柔らかいものなのだろうか。
それとも、疾風くんが特別?
ぷはっ、
しばらくの間互いに吐息を漏らしながらしていた二回目のキスを、止めるタイミングがわからないのと名残惜しい気持ちもありつつもようやく終わらせ、オレは疾風くんから唇を離し顔をあげた。
……っ、やばい。キスが気持ちよすぎて、またちんこが痛くなってきたよ……こ、これだから童貞はっ。
なんて、己のチェリーぶりに恥ずかしくなりカァァっと顔を赤くさせるが、
ハッと、いやっオレはすんごく気持ちよかったけど、肝心の疾風くんはっ……!?
そう気づき、余韻に浸って閉じていた瞳を急いで開けると、
「っ……」
「――…え、」
何故だか目の前の疾風くんは、ぽろぽろと、その綺麗な瞳から涙を流していたのだった。
……え、えっ!!?
「なっ、えっ、ごっごめん疾風くん!? オレやっぱりキスへたくそだった…!?」
「え……っ!? ち、違うっ、これはオマエが下手だったからとかそんなんじゃなくて、っその……し、幸せで勝手に…」
「へ…しあわ、せ…って、」
「…だってよ、俺色々変なことしちまったってのに……なのにこうしていつぐからキスしてもらえるとか、嬉しくて…幸せで、だから」
「疾風、くん」
キスがへたくそすぎたせいで涙を流したのかと焦りだすオレに、それとは逆、『幸せで』と、疾風くんは嬉し涙をぽろぽろと流していて。
――ああ、この人は、本当にオレのことが『好き』なんだな。
そう心の中で感じると共に、オレの心臓はドクンドクン……鼓動がどんどん早くなっていった。
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