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「――…ひぁっ、ちょっ、いつぐ待てそこはっ…んあぁ♡♡」 「ん、ちゅっ♡ …ははっ、疾風くん耳弱いんだね♡♡」 「っ、別に弱くなっ…ふぁ♡♡」 「はぁ、可愛い♡ こんなかっこいい黒のピアスしてるのに、疾風くん可愛い…んっ♡♡」 「うあぁっ♡♡ あっダメだからっ、いつぐぅ…♡」 「可愛いっ、疾風くんのどこもかしこもかわいすぎて、むしろオレがダメになっちゃうよっ♡」 「んぁ、だから可愛いって、言うなぁ……あっ♡♡」  ちゅっちゅっちゅ、  長く綺麗な睫毛にキスを落とし、鼻にも頬にもおでこにも、たっぷり雨を降らせていく。  両耳にキラリと光る黒色のピアスは、もともと目立っている彼の存在を更に主張させるアイテムの一つである。  でも、そんな飾りを付けている疾風くんの耳は今はとても真っ赤に染められており。  何だかその黒と赤のコントラストがものすごくいやらしくて、オレは我慢できずまたちゅっちゅうっと、今度は強めのキスを彼の耳にたっぷりと仕掛けていった。 「っ、ふはぁ…♡♡ も、いつぐ、耳これ以上されたら俺っ……あ、このにおい…」 「んちゅ……ん、疾風くん?」 「ん……はぁ♡♡ っ、俺…やっぱりいつぐの匂い好きだ」 「へっ…あ、えと、あっありがとう…で、いいのかな?」 「っ悪い…オマエの首もとが目の前に来たからつい嗅いじまって……でも、ふぁ…ほんと好き、だからぁ♡♡」 「! …そ、そっか…はは、なっ何だかこう目の前でそう直接言われると照れちゃうなぁ……でも自分でこう言うのも何だか変な感じだけど、疾風くんがオレの匂いが好きって言ってくれるの嬉しいよ。だってついさっきにここでオレのジャージを初めて嗅いで、それですぐにオレの匂いを好きになってくれたってことでしょう? そう思うと、ふふっすっごくドキドキしちゃってく…」 「あ? 初めてって…俺がか?」 「へ…?」 「え、」 「……え、あの、さっきここで初めてオレのジャージを嗅いだんじゃ…」 「………っぅ!!? あっ…いや、それはそのっ………っ、ごめん…いつぐ」 「は、疾風く…」 「――俺、ずっとオマエのストーカーだったんだ」 「………んんんん????」  そうして、オレのたくさんのキス攻撃に甘くいやらしい声と表情をさせながらも、ふとオレの匂いが好きだと可愛らしい言葉を向け、オレの気持ちをさらに一段上へと高ぶらせてくれたと思った疾風くんは  ――けれども突如として、  その甘くとろける空気を『オマエのストーカー』宣言で思いっきりぶった切ってきたのであった。  ちょっと待って、ここにきて新情報はやめよう? 疾風くん。

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