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胴慾 6

* もう何回目かなんてわからない。 珀英の指が、ローターが内部(なか)の所を擦(こす)って、振動が当たって、その度に内臓の底から突き上げる快感が走り抜けていく。 珀英が何か耳元で囁いているけど、何て言っているのかわからない。 オレ自身も、声を出して何かを言っているみたいだけど、何て言っているのか自分でわからない。 脳味噌が沸騰(ふっとう)している。 体の奥底、深くから爆発している。 でもそれは不快感ではなく、圧倒的な快楽で。死にそうな快楽があることを、初めて知った。射精するような感覚なのに、精液は出せないままで、出ないのに異常な多幸感と頭がボーッとする感覚。 このまま溺れ死んでしまいたいと思うほど、甘い快楽。 もう何度目かわからないメスイキをさせられて、何がなんだかわからず、オレは珀英に体を弄(もてあそ)ばれた状態のまま、涙を零(こぼ)し続けた。 「くす・・・6回目。10回まであと少しだね」 「・・・オレの・・・嫌い?・・・」 「え?」 珀英の顔がどこにあるのかわからない。 目の焦点(しょうてん)が合わない。 それでもオレは珀英に話し続けた。 力の入らない腕を、必死で持ち上げて、何とか珀英の頬に触れる。 ゆっくりと撫ぜる。 「・・・オレのこと・・・嫌い?」 「緋音さん・・・」 「ねぇ・・・嫌い・・・?」 うまく声がでているのかわからない。 言葉も発音できているのかわからない。 それでもオレは珀英に問い続けた。 一緒にいたいから。 こんなことで離れたくないから。 それに何より。 珀英はこの程度でオレを嫌いにならないって。 知ってるから。

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