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胴慾 7

* 「・・・オレのこと・・・嫌い?」 「緋音さん・・・」 「ねぇ・・・嫌い・・・?」 意識が朦朧(もうろう)としたまま、緋音さんが焦点(しょうてん)の合わない瞳で必死にオレを探すように、腕を伸ばしてオレの頬に触れた。 大きな瞳から涙が止めどなく流れ出す。幾粒も幾粒も、透明な輝く涙が溢れて、目尻を通って流れ落ちていく。 震える深紅の口唇からは、聞き取れないくらい小さい声で、誘惑する言葉が紡(つむ)がれる。 「・・・オレのこと・・・好き?・・・ねぇ、珀英・・・?」 緋音さんが小首を傾(かし)げて、潤んだ瞳を少し上目使いにして、思いっきりオレを誘惑する。 しかも至極単純な方法で。その単純すぎるところが、本当に可愛い。 壊したいくらい、可愛い、と思った。 背筋がぞくぞくする。あの緋音さんが、オレのことをこんな風に誘ってくるなんて。たいてい塩対応だから、こんな対応されると、どうしたらいいのか正直わからなくなる。 今までにない状況に、嗜虐心(しぎゃくしん)が大きく膨(ふく)らむのがわかった。 それでも。 「珀英・・・抜いて・・・」 熱い吐息を吐きながら、腰を少し浮かせて、緋音さんは促すようにオレを見上げて言う。オレは促されるまま、緋音さんの内部からローターを取り出して、背中に腕を回して抱き上げる。 緋音さんが両足を広げた状態で、オレの上に跨(また)がって座る格好になった。 内部からローターが引き抜かれたけど、快感が体に残っているのか、緋音さんは背中を支えるオレの手の動きにも、体をビクビク震わせて、愉しそうに笑ってオレの首にしがみついてきた。 「は・・・くえいっ・・・」 オレは緋音さんの体を支えつつ、お尻を左右に広げさせて、ゆっくりと自分の勃起したものを、小さな穴に当てる。 充分濡れているので、入り口に当てただけなのに、体の重みで先端がずぶずぶと飲み込まれていく。 「あ・・・はあぁっ・・・」 緋音さんが首筋に顔を埋めた状態で頭を左右に振って、快楽に溺れた瞳でオレを見て、腰が畝(うね)る。オレはその緋音さんの顎を掴んで仰向(あおむ)かせる。 「入れていい・・・なんて・・言ってないっ・・!!」 涙と唾液に塗(まみ)れて、真っ赤に頬を染めて、荒い呼吸を繰り返した状態で、オレを真っ直ぐ見つめる。上の口では嫌がっているくせに、下の口はオレのをもう半分も飲み込んで、気持ちよさそうに締め付けてきて。 ああ・・・可愛い。 こんな風に、色々な体液に塗(まみ)れて、意識が朦朧(もうろう)として、快楽を貪(むさぼ)って喘(あえ)いでよがって汚い緋音さんを見て知ってるのは、オレだけ。 可愛くて、くっそエロい。 オレだけのもの。

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