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第10話
「もう! スキーになんて、来るんじゃなかった!」
ぷんぷんと不機嫌な悠希だ。
寒くなって来たし、もうホテルへ行ってしまおうかと思い始めたその時、再び颯爽と滑り降りて来た人間が悠希のそばに止まった。
「悠希くん、スキー教えてあげようか?」
「狩野さん」
しかし、悠希はすっかりふてくされていた。
「いいです。僕、スポーツ苦手だし、寒くて動きたくないし」
「じゃあ、雪合戦してあったまろうか?」
「雪合戦?」
智久はスキー板を外すと、雪玉を作り始めた。
「ほら、早くしないとぶつけちゃうよ?」
「わ、大変だ」
その後、悠希は智久と楽しく雪合戦で体を温めた。
大きな雪だるまを作ったり、橇滑りで遊んだり。
みんなでホテルへ入る頃には、すっかり機嫌は治っていた。
智久に、懐いていた。
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