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ゆるふわ泥酔注意!(3)
帰り道。
「~♪~♪」
とまりが機嫌良さそうに俺の背中で歌ってる。
ずり落ちそうになってきたとまりを背負い直して、家路を辿る。
「とまり、それ何の歌?」
「ん?ゆーた大好きって歌!僕が作ったんだよーぉ」
はは。とまりらしい。
「じゃあ俺、とまり大好きって歌作ろっと」
二人で歌いながら夜道を行く。
耳許でふんふん歌ってるとまりの息がくすぐったくて、ちょっとむずむずする。
「とまり、家ついたぜ」
「中までおんぶー!」
「はいはい、とまり姫さま」
玄関の前に立つと、とまりが鍵を開けようとする。
でも酔った手は鍵を挿せなくて左右にぶれまくってる。
「ほら、鍵貸してみ?」
「うー。はい、お願いします」
とまりから鍵を受け取って玄関を開ける。
?玄関に靴がない。
「とまり、お父さんとお母さんは?」
「旅行らよぉ」
じゃ、とまりは今晩独りなのか。
……大丈夫かなぁ。
上がったところにとまりを下ろして、いったん玄関を閉める。
振り返ってとまりを見て、思わず額に手を当てた。
完全に横になって寝てる。
「とまり、そこで寝るなよ?」
「うむー……」
そう言いながらも、バッグを枕にして寝心地を調えようとする。だから駄目だって!
「おい、とまり?」
とまりの今日の服装はチェックのパンツに襟ぐりが大きく開いたTシャツ。
とまりは撫で肩だから、広く空いた襟ぐりから肩が片方出ちゃってる。
白くて、つるんとした華奢な肩。
服を直してやっても、やっぱり落ちちゃう。
あ”ぁあーークソっ!
この陶器の人形みたいな肩にキスしたい。
肩の先に噛み跡を付けて、俺のだって印を残したい。
俺の中の衝動を抑えて、とまりを抱き起こす。
壁に寄りかからせて、なんとか座らせた。
軽く頬に触れてとまりを起こす。
「うにゃ……」
頬に触れた手にすがるようにとまりが吸い付いてくる。俺の手、マグネットでも付いてるのかな。
「とーまり。こんなところで寝るなよ。風邪ひくし、体痛くなるぞ」
「んぅ……ん」
思わずとまりにキスしてしまった。
だって目の前に天使がいるんだぜ?そりゃ男だったらキスするよな。
とまりの唇はふっくら柔らかくて、飲んでた酒のせいか、甘い。
ふにっとしてる下唇を舌先でなぞって、優しく優しく歯を立てる。
「ゆーた帰っちゃやだぁ……」
俺の唾液で濡れた唇が、灯りを反射して誘ってくる。
すがりついてくるとまりの腕からは、微かに香水のいい匂いがする。
「帰らないよ。帰らないから、ちゃんとベッドで寝よう。な?」
「うん……」
とまりを抱きかかえるようにして、二階のとまりの部屋へ連れていく。ん
うぁー。もっととまりとキスしたい。
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