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ゆるふわ泥酔注意!(5)
えいクソ、どうすりゃいいんだよ。
「とまり?」
「んー、ふふふ」
とまりは完全に酔っ払って、ほとんど目が開いてない。
ただ首をぐらぐら揺らして幸せそうに笑って……ぺろりと舌なめずりをした。
思わずその舌を追っかけて俺はとまりとキスをする。
ベッドの上に四つん這いになって乗り上げ、頭を上げてとろけるような熱い愛を求めた。
重なる唇も、絡む舌も、零れ落ちる唾液も、全てが火傷しそうに熱くひりついてる。
とまりは首が座ってなくて、どうかするとすぐ首が左右に傾いてキスが中断される。
「……はぁっ……とまりっ」
結局とまりがベッドにずり落ちるように横たわって、俺はその上に四つ足でまたがりキスを続けた。
とまりの舌は薄くて無理やり俺が舌を押し付けてもするりと逃げやがる。
ぢゅっ、ちゅ、……ふふ。
うまいこと、とまりの舌を捕まえて、唇で吸い上げた。
つるりと俺の口内に入ってきたとまりの舌は、甘くて柔らかい。
無我夢中でキスをする俺を愛でるように、とまりが舌を捕まれたまま嬉しそうに笑った。
あぁ……。
わかった。もう後には引けないところまで来ちまったんだ。
一つ賭けをしようじゃないか。俺は今から家のトイレに行って準備をしてくる。
戻ってきた時に、とまりがまだこの泥酔状態だったら、続きをする。
もしとまりが寝ちまってたら……諦めて俺も家に帰って寝ることにしようじゃないか。
え?俺の昂りをどうするかなんてどうでもいいだろ!言えねぇよ!
とまりの上から降りて、窓を越えて自分の部屋に戻る。
そう、俺たち二人とも向かい合った窓には鍵を掛けてない。
いつでもすぐにとまりに会えるようにしときたいだろ?
え、あ、ちょっと、トイレまで着いてくんなよ!!
見たって、なんも面白くねぇから!!
とまりを見てろよ。とまりの可愛らしさに悶えればいいじゃん。
とまりの髪の色綺麗だろ?甘い甘いキャラメル色。これ染めてないんだぜ。地でこの色なの。
光に透けると、プラチナブロンドに輝くんだ。な?ほんとに天使だろ?
……。(水を流す音)
ん。お待たせ。準備できた。
とまりのとこに行こうぜ。
もう夜遅いから静かにな。
「んふぅ……ゆーたぁ、どこいってたの?なんでキスしてくれないの?」
とまりの部屋の窓を開けると、むっと唇を尖らせて拗ねるとまりがベッドから上目遣いに見上げてきた。
こ、これは……どっちだ?
ドキドキしながら見ていると、直にまたかくっと首が傾 いだ。
とまりは目を閉じて、重たげに瞬きをする。
「僕ねぇ……今ちっちゃいピンクの象が行進してるの見てたんだよぉ。急に象さん隠れちゃったけど」
ぅよっしゃあぁぁ!!
完璧な酔っ払い!やるぜ!!
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