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現在 -11

 化粧台の明かりは、白々とカイトの肌の色を浮かび上がらせた。  佐東はカイトの両足を左腕だけで持ち替え、少し落ち着きかけていたカイトの中心を右手で再びもてあそび始める。  カイトの足がいやらしく跳ねるが、そのたびに佐東の肩に押し付けられるようにして体を強く固定され、逃れることができない。 「ン、ンッ」  カイトは身動きを封じられたまま悔しそうな声を漏らしたが、すぐにまたびくびくと震え始めた。本当に感じやすい子だ。不憫だな、などと思ってみる。 「早く決めろよ泉水、こいつ勝手に昇天するぜ?」  そうだった。どの玩具で遊ぶのかを僕が決めるんだったな。  どれでもいい。カイトはきっとどの道具でも僕らの期待どおりの良い反応を見せてくれるに違いない。 「じゃあこれで。」  立ち上がって、一番近くにあったピンク色で半透明のプラスチックっぽい道具を取った。 「じゃあそれで。」  佐東はにやにやと笑ったまま僕の言ったことを反復すると、カイトを抱えてベッドの上を進み、僕に近づいてくる。  僕がするのか。楽しそうだが、佐東が戯れに僕に触れでもしたらいやだな。  カイトはのけぞるようにして横を向いた。  僕から顔を背けたいのだろうが、そのきれいな横顔がウサギをきつく噛みしめている様子は可憐で実に愛くるしく、カイトの魅力を逆に増してしまっている。  明かりに照らされたカイトのそこは彼の体が小さく動くたびにいじらしく震えた。乳白色の肌のなかで淡い薄紅色をしていて、佐東の指を無理やり飲まされたりしていたせいか中心は赤みが少し強くなっている。   「…僕に触らないでくださいね。」  カイトの反応に対する期待から声に笑みが含まれているのが自分でもわかった。  ポケットから手術用の薄手のゴム手袋を取り出し、付け替える。  絨毯のうえに膝をつき、カイトのそこを見下ろす。 「っ!…」  僕がカイトの腿に触れると、それだけでカイトは小さく跳ねた。  目が見えないぶん余計に敏感になっているのだろう。  が、すぐに佐東に抑え込まれ、可愛らしくうめいてじっとする。 「ん…!」  ゆっくりと、カイトの反応を見ながら開始する。 「…んっ、ん…」  カイトは、期待どおり、いやがりながらもよがって声をあげ始めた。頭を振ると、その度に口にくわえられたぬいぐるみが乱暴に揺り動く。噛み締めた歯の間から必死に息をしている。  その様子を確認しながら、また少し、カイトの体に玩具をうずめる。カイトはびくびくと震えながら息をした。 「スイッチ入れてみ?」  スイッチ?…ああ。 「んんんっ」  モーターが回転を始め、振動がひろがり始める。 「――…っ!」  声にならない悲鳴をあげながらカイトがさらにのけぞると白い首すじには静脈の形がくっきりと浮かびあがり、その様子は少年とは思えないほどなまめかしく、実に美しい。 「…もっと動かせよ。」  声からして佐東はカイトの様子に少しばかりの興奮状態にあるようだ。佐東は、のけぞり、彼の肩のうえで何度も頭を振るカイトを見下ろしながら、右手を再びカイトの若い“果肉”に添え、指を細かく動かしてカイトの反応をうながし始めた。 「ン!ん…!」  カイトはまたひどく反り返ったので、佐東は自分の胸に押さえつけるようにしてカイトを強く抑え込んだ。  縛られた腕が細い腰と佐東の体との間に挟まり、カイトの意思とはまったく逆に、屈辱にあえぐその部分が、僕へ向かってさらにさらけ出される。 「っ…――!」  腰が痙攣すると中で余計に玩具が暴れ動くのだ。哀れなカイトはさらなる悪循環のなかへと自らを陥れていく。佐東の右手でもてあそばれ続けるカイトの果肉は徐々に高ぶり、その瞬間へと再びのぼりつめようとしていた。  カイトがかすれた声でうめく。 「見てみろよコイツ、…またイくぜ。」  佐東がますます楽しげに僕に言う。 「なあ、もっと動かせって…、」  僕はこのままでも十分楽しいのに。  と、佐東の手が止まった。何気に佐東を見ると、不思議そうに僕を見ている。 「…お前のそんな顔、初めてみたぜ。」 「…そんな顔?…どういう?」  佐東はにやりと笑う。 「うれしいとそういう顔になんのか。目がイってるぞ、いい意味で。」  いい意味って、なんだ。まあいい。 「…興奮しているんだと思いますよ、カイトくんに。」  佐東はまた何やら嬉しそうに笑った。  そしてカイトの耳元に口を寄せる。 「カイトー、泉水お兄さんがすごくきれいな顔で笑ってるぞー?見たいかあ?見たいだろ、…またスケッチ、したいよな…?」 「んんんー!」  佐東が、休めていた手を突然乱暴に動かしたので、カイトは悲鳴を上げた。  佐東は犬歯を使って器用にカイトのアイマスクをはぐってずらした。  そこからカイトの右目だけが見える。涙でぐしゃぐしゃになっていて、残念ながら、瞳は強くとじられたまま。  痙攣を繰り返しながら、ぬいぐるみをくわえた口からふうふうと息をしている。 「ほら、もっと動かせって泉水。」  するとカイトのまぶたが開いて、長いまつげの向こうから可愛い右目が僕を見た。  ウサギのように真っ赤で、とろりと濡れた、無垢な瞳。  カイトは必死に首を振る。 「…ンんっ!ンんん!」 「…ごめんね、カイトくん。」 「ふふっ。心にもねえこと言うなよ。」  なんだ。そんなにバレバレなのか、僕の表情は。思いながら、玩具を握る自分の手にだんだんと力がこもっていくのがわかる。 「ん!ンン――ッ!!」  カイトがまたのけぞる。 「…ン!…ウ!ッン…!――ン…!…」 「…いい顔だな…ッ、泉水っ…。」  佐東も高揚しているらしい。  僕たちの激しい要求にカイトは全身を震わせはじめる。  乱暴に動く佐東の手の奥から響く、淫らでなまなましい、カイトの音。 「んっ…ア!…ああ、アアア――っ…!」  玩具を握る手にウサギが落ちてきた。  カイトは一段と強く体を震わせ、か細い悲鳴をあげ、…そして、次の瞬間、ついに、絶頂を迎えた。  びくっ、びくっと、細い腰を幾度か規則的に痙攣させ、佐東の手のなかに自身の蜜を放出する。  見開かれた大きな瞳。  屈辱も絶望もすべてが抜け落ち、濡れたまま、天井の暗い明かりを映し出している。 …きれいだ。  佐東の手からカイトの流した温かな白い蜜がこぼれてきた。  カイトの体は、佐東の腕のなか、とろけるように力を失ってゆく。佐東はようやくカイトの足をゆっくりと下ろした。 「…あぅ…ッは、…ぁ…」  ぬいぐるみの向こうから静かに玩具を引き抜くとき、まだ絶頂のさなかにいるカイトはかすれた声で何度か息をし、細い腰を幾度も痙攣させなければならなかった。  そのいちいちが、僕の理想どおりの動きであり、様子であり、声だったので、僕はカイトを心から素晴らしいと思った。  佐東がカイトの下腹の上に落ちたままのぬいぐるみを拾いあげる。 「…な?こんなぬいぐるみ、意味ないって。泉水ちゃん。」 「いいですね、カイトくん。…とても気に入りました。」 ------------→つづく

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