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第9話

 「オレはお前のモノだ」  男が服を脱ぎ捨てるのを呆然とみていた。  男の身体の半身に赤いタトゥーが埋め尽くされていた。  そう、もうすでにガッチガッチに勃起している性器にさえ、それはあった。  まるで半身を焼き尽くす炎のように見えた。  生きながら半身を焼かれる男の身体は美しかった。  ジムなどで鍛えられた身体ではないナチュラルで大きな筋肉。  しなやかな動きは訓練を受けたことのある人間のようだった。  俺の兄貴が格闘技していたから、なんかわかる。    半身を炎に焼かれた男が差し出す手を拒否出来なかった。  炎の中から助けを求めているように見えたのだ。  振り払うことが出来なかった。  その腕が俺を抱きしめて、畳の上に俺をそっと押し倒すまで、なんか、なんか、無抵抗になってしまっていたのだった。    男は嬉しそうに笑った。    頬ずりされた。  犬にもそうされたことを、なんか思い出した。  犬はこの男とちがって慎ましかったので、ちかくには必ずいてもすり寄ることは無かったが、抱きしめてやると嬉しそうに頬をすりよせてきた。  犬が甘えたように、男も俺に頬ずりした。  ただ、問題はガチガチになった男の下半身が押し付けてられてきていることで・・・。    ここで俺は我にかえったのだ。  男を振り払おうとした。  「大丈夫、優しくしてやる」  男が言った。  違う違う違う違う!!!    そう、ここで話は一番始めにもどるのだ。  キスまでされてしまったわけで。  ぼんやり頭がしびれている。  どうしてこうなったのかを、ふりかえってもだ、結論から言えば、全くわからないと言うことだ。  男は食い入るように俺を見つめている。  俺にのしかかったまま。  オレンジの瞳。  その身体の中でも炎がのた打ちまわっているのが目から見えるみたい。  男の熱い掌が俺のシャツの下の素肌を這っていた。  焼けるように感じた。  熱さに喘いだ。  男がまた硬い性器を俺の性器にこすりつけてくる。     俺は呻いた。     ズボンごしにも熱くて硬いそれを感じてしまって。    どうしたらいい???  俺は混乱した。    男の掌が熱い。  優しく胸を撫で回された。  指で乳首を摘ままれた。  熱い指に焼かれた。  ああっ  声を上げてしまった。  さらに強く摘ままれ、それが痛みになる。    「痛っ・・・」   呻くと、癒やすようにそこを舐められた。  熱い舌にそこを舐められるのは、焼かれるようなのに、濡れて甘くて、何故か股間が疼いた。  カリッと乳首を噛まれる。  痛みの寸前。  甘える噛み方。    ふぅっ   声が漏れたら、チュパチュパと 音を立てて吸われた。    ズクンズクン  股間が痛みのような、もどかしいような、何かを受信している。  いや、脳なのか。  胸を弄られているのに、感じているのがそこだけではないことに怯えた。    舐められる。    熱い舌。  火傷する。  甘く焼かれて、濡らされる。  「やだっ」  俺はみっともないことに泣き声をあげた。  だって、こんなの知らないし、なんでこんな目にあわせられてるんだよ。  そしてなんで俺のチン○は、痛い位に勃起してるんだよ。    それにあいつのチン○がこすりつけられ、俺は何故だか分からないけど腰を自分から動かしていた  俺のが濡れてるのか、こいつのが濡れてのかわからない。    「やらしい。可愛い。たまんねえ」  男が嬉しそうに言った。  違う。  違うって。  でも、出したかった。  出したくてたまらなかった。  「ああ、イキたいんだな、まかせとけ」  男は俺の喉にキスしてから言った。  ズボンが下ろされ、男の手が俺のをひきだした。  情けない位勃起して、濡れていた。  男は俺のと自分のデカいのを重ね合わさせて、手でしごき始めた。    俺はわめいた。  声が出るほど良かったからだ。  自分のモノが擦られてるのか、コイツのが擦られてるのか分からない。  ドロドロに溶け合ってしまうみたいで怖くて。  でも、出したくて。  イキたくて  「やだぁ」  叫んだ。  拒否しているのに。  生まれて初めての他人の手による射精は、頭が焼き切れるんじゃないかと思うくらい気持ち良かった。        

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