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第10話

 俺が達しても、男はまだだった。  だから俺の白濁を吐き出す性器は男の手や男の性器に擦られ続けた。  「止めろっ・・・やめっ・・・ああっ」  俺は出した後も擦られるなんてこと、知らないからその強すぎる感覚に泣き喚いた。  出したばかりで敏感になってるのにそんなことをされたら・・・。    痛いんだか熱いんだかわからない。  ただ、慣れない感覚はもう、俺の許容量を超えていたし、怖かった。  怖くて、男にしがみついた。  「くそっ!!マジ可愛い・・・。もっとグチャグチャにしてぇ」   男が呻く。    涙を舐めとられ、唇を塞がれた。    男の手が与える過ぎた感覚が、射精とは違う感覚を呼び起こす。    「出る・・・なんか出る・・・やだっ。止めて!!」  俺は止めて欲しいと男に泣いて頼む。       男はそんな俺の顔を食い入るように見る。  表情の一つも見逃さないかのように。  もちろん止めてはくれないのだ。  「おねが・・やだっ・・・おねがい」  俺は泣きながら性器から何かを放出した。  失禁したのかと思ったけど、違うのはわかった。  スゴい怖い、わけわかんなくなる感覚だったから。    それを見ながらやっと男は達した。  大量の精液が俺の腹の上に飛び散る。  その熱さに、身体を震わせてしまった。    「潮まで吹いて可愛いすぎるじゃねーか」  男が満足そうに言って、甘えるようにキスを顔や首や唇に落としてくる。    潮・・・女の子がAVとかでするヤツ?  あんなの、ファンタジーじゃなかったのか?  それに俺男なのに。    身体を撫でられると、その手に反応するかのように身体が震えてしまう。  それにわけがわからなくなっている俺は、今起こったことが怖くて、男にしがみついてしまうくらい混乱していた。  「こんなにいいなんて・・・。しかも、こんなセックスでもないもんで」  男が嬉しそうに言った。  「気持ち良かっただろ?」  腹に出された精液を胸まで広げられる。  指で乳首を摘ままれて喘ぐ。  「やだぁ」  俺は子供みたいにベソベソ泣いてしまった。  言い訳させて貰えば、起こっていることが俺の理解の範囲を超えて混乱していたのだ。  男は子供でも宥めるように俺を抱きしめた。  「怖かったか?」  優しく囁かれる。    怖いに決まってる。  名前も知らない一度しかあったことのない男に家を突き止められ、不法侵入され、押し倒されて・・・。  あんな、あんな・・・  意味がわからなすぎて、色々理解を超えていて、俺は泣くのを止められない。  唇を噛み締めて、こらえようとしても涙が止まらない。  「・・・そんなに泣くな・・・」  男が困ったような声を初めてだした。  「こんなのキスとそんなに変わんないだろ。ちょっと扱きあっただけじゃねーか」  男は涙を舐めとる。  これがキスと変わらないだと?   俺はキスすらしたことなかったが、それは違うと思うし、大体キスだって普通はこんな風にいきなりされるもんじゃないと思うぞ。  「服すら脱がせてねーだろ」  男は俺のシャツの下から素肌をなでながら言う。  そういう問題じゃない。  ズボンもずらされて、胸までシャツめくられていやらしいことされまくって・・・。    「まあ、キスも慣れてなかったみたいだし、怖がらせて悪かったな」  男はご機嫌だった。  それにムカついた。  確かに俺はキスもしたことなかった。   だか、それを指摘されるのもムカついた。   「キスくらいある・・・」  そう言いかけたのは、たんに無いなんて言わせたくなかっただけの見栄みたいなもんだったんだが、男の顔色が変わった。  「どこの女だ?・・・男か?・・・名前を教えろ」   男は獣のように唸った。  「知ってどうするんだよ!!」  俺は聞く。  なんかもう、泣きながら怒鳴ってる。  「殺す。お前がする事を俺は止められない。俺はお前の所有物だからな。だがお前のもんになるのは俺だけだ。お前を止められないなら、相手を消すしかないだろ」  男は唸る。  何言ってんの?  やっぱり意味がわからない。  「名前を言え。お前の味をオレより先に知った以上は殺すしかない。大丈夫、お前に迷惑はかけない」  男が優しい口調で、でも、ギラつく目でそう言う。  本気なのだけは分かった。  「上西か、宮下か?佐々木か?」    男が上げた名前は全員知ってる名前で。  俺がわりかし親しくしている女の子達の名前だった。  なんで、俺の交友関係把握してんだよ!!  「それとも・・・内藤か!!」  男は舌打ちした。  それ、俺の親友。  親友だから!!  「違う、違う、違うから!!誰ともしてない!!!」  俺は叫んだ。  「じゃあ、オレ以外にあんたに触ったりキスしたのは 誰だ」  男が言い募る。  人が死ぬ臭いがした。  下手なことをいうと誰かが死ぬ気配が。  「・・・・・・お前が初めてだ・・・」  小さい声でそれを認めるしかなかった。  男はそれを聞くと、顔を輝かせて笑った  子供のように。  「オレだけか・・・」  嬉しいそうに言って、俺を抱きしめる。  そして俺は気づく。  また男のもんがガチガチになってることに。  なんでこんなにすぐに?  なんで?  「大丈夫・・・今日は最後まではしないから。口でしゃぶってやるし、また一緒に出すだけだから」  男がまたゴリゴリと押し付けながら言ってきた。  何  何言ってるんだ!!  「嫌だ!!」  俺は怒鳴ったのに。  怒ったのに。  男の巧みな指が扱き始めたなら、もうわけがわからなくなって。  胸を吸われたら、腰が揺れて。  その上、男の大きな口が俺のを・・・。  そう、その後も俺は男に散々喘がさせられ、叫ばさせられ、泣かされたのだった。  確かにぶち込まれることはされなかったけれど。  

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