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第29話

 「やめ、・・・やめ・・・」  俺は声を殺して喘いだ。  俺は泣いてた。  ちょっとこれは。  恥ずかし過ぎた。  俺は確かにしてもいいっていったけど。  これはいいって言ってない。  男は信じられないことをしていた。  俺の脚をおしひろげ、腰を持ち上げ、俺の穴をベロベロ舐めているのだ。  そんな、ところを。  くっ   俺は手で押さえて声を殺す。    だって男は舐めるだけじゃ飽きたらず、穴に舌まで差し込んでくるんだ。  なんで、そんなことできるんだよ。  変態、変態、変態。  俺は恥ずかしさに泣く。   でも、俺はその舌に反応してしまう。  熱い舌が穴の襞の一つ一つを広げるように舐める度に、腰を震わし、差し込まれた舌の熱さに前から零してしまう。  舐められる度に、性器に熱が集まり、すすり泣いてしまうのは、恥ずかしいのと、早くイキたきいからだ。  「指って言った・・・」  俺は泣きながら言う。  サッサと突っ込んで終わらせてほしい。  早くイキたい。  こんな恥ずかしいのやだ。  「濡らさないと、お前が痛かったりするだろ」  男は唸る。  そしてそこに蜜でもあるかのように、また舌を差込み中を舐め始める。    熱い。  濡れて、動いて、溶かされる。  熱い。  気持ち・・・い。  出そうになる声を両手で抑える。  また性器がビクビクして、先から零していく。  「声殺して感じまくって・・・ケツまでゆらして。可愛いすぎるじゃねーか・・・くそっ、ぶちこみてぇ」  男が俺の顔を見上げて、うなるように言う。  俺は怯える。  あの凶器みたいなチンポをぶち込む気か。  怖い。  怖い。  アレはダメ!!  「しねーよ。するわけねぇ。・・・ちゃんとお前がぶち込んでくれってお願いするまではしねぇ」  男は俺の怯えた顔を見てシブい顔して言った。    ずり上がってきて、俺の顔に自分の顔を近づけてくる。  至近距離に男の顔があった。  濃い肌に燃えるタトゥーも。  意外と長い睫毛も。  実は型とったように整った顔も。  炎みたいに光る目も。  すぐそこに。  「・・・今はお前の中を知りたいだけだ・・・無理強いなんか・・・するはずがねぇ」  男は俺の頬を優しく撫でた。  何故か安心した。  この男は俺を傷つけないと、信じた。  目はギラギラと光っていたし、燃えるようなタトゥーが身体の左半身に性器にまで刻まれた身体は、燃えてるみたいで、怖いはずなのだが。  俺はこの焼かれながら、目をぎらつかせる男に縋った。  身体の中から俺を焼いている男に。  男の背中を回して。  男が火傷でもしたかのように呻いた。  焼いてるのは男のはずなのに。    「辛くて・・・でも、可愛くてたまんねぇ・・・」  男は俺を抱きしめた。   男のソレが腹当たる。  熱くて硬くて。  思わず腹をこすりつける。  俺のも男の脚で擦れる。  男が呻いた。  「ダメだ・・・煽んな。まずはお前の中を知りてぇ」  男は俺の耳を噛んでから言った。  俺はもう出したかったから、泣く。  もういいから、出して、と。  「出してやるよ、後ろをつかって、な」  男が囁いてくる。  俺はその意味がわからなかった。   もうイクことしか考えていなかったし。  だから男が求めるままに、男の指を舐めてしゃぶって濡らしたのだった。  意味もわからず。  そして、たっぷりと濡れた指が、男に散々舐められ濡された穴に差し込まれたのだった。        

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