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63.恋する幼馴染

 奏汰 side 「くっそ~」 「はは、ざまぁねぇな」 「何で!何で、そーちゃんの方が後から走ってきたのに俺が負けるんだよ~」 「これが実力の差だな」 「この筋肉ゴリラ、体力バカ!!」 「誰の為にこうなったと思う」 「俺の為だね!」 「ドヤ顔で言うな!もうちょい申し訳なさそうにしろ!」 「ったぁ~。暴力反対!!」  あの後走り去った颯希を追いかけお互いムキになりスーパーまでの道のりを全力疾走した結果俺が勝ったのだがその結果に颯希は不満たらたらのようでブーブー文句を言いやがる。  たくっ、昔は素直にありがとうって言ってたくせに最近は尊大な態度ばかり取るようになりやがって……  そう、心の中でため息を吐けば突然こっちを颯希が振り向いた 「でもね」 「んだよ」 「本当にそーちゃんには感謝してるんだよ、俺。いつもありがとね」 「かっ、……」  ゴンっ 「ちょちょちょ、そーちゃん!?急に電柱に頭ぶち当てたらお馬鹿な頭が更に馬鹿になっちゃうよ!?」  っぶねー……  思わずか、可愛いって言う所だったわ  いやいやいや、何だよ急にあんな照れたようにはにかみながらお礼とか、んだよ、そんなこと言われたら心臓に悪いに決まってんだろ!?  馬鹿かこいつ、やばい、こいつのこの天然はマジでやばい。  本当に何度こいつの不意打ちにやられかけたことか…  うぉぉぉぉ去れ、俺の煩悩去れぇぇぇぇぇ  ゴンゴンゴン 「そーちゃん落ち着いてぇぇぇ!!」 「ふぅ……行くか、颯希」 「いや、そんな一人でスッキリした顔をされましても……額真っ赤だよ。どうしたのさ突然」 「なんっでもねぇよ!おら行くぞ!」 「えー何それー」  お前が可愛すぎて煩悩を打ち消してたんだよ!!  何て言えるわけもなく後ろから呼びかけてくる颯希の声を無視して俺はすたすたとスーパーの中へ入っていった。 「で、今日は何作るんだ?」 「そーちゃんは何が食べたい?」 「あー……肉?」 「もー、そーちゃんに聞いたらいつもそれだ……」 「じゃあ聞くなよ」 「聞くよ!だってどうせならそーちゃんが食べて美味しい、嬉しいってのも作りたいもん」 「あっそ」  天使か  何だよこいつ今日は何かいつにもまして不意打ち多くね?  俺に喜んで欲しいっておま、本当に俺の事好きだな、好きすぎじゃね?  いや、まぁ好きって言っても家族的な感情なんだろうけど、それでも好きな奴に好意を抱いて貰えてるってのは嬉しくないはずもなくついニヤけそうになった顔をそっぽを向いて誤魔化す。  俺の不遜な態度にもいつもの事とばかりに気にせず「じゃあ今日はハンバーグかなぁ~」と言いながらカートを押しながら精肉コーナへ歩き出す颯希の横顔を盗み見ながらついていった。

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