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038 俺、ちょろ過ぎる……:S
昼休みに風紀委員が正式決定し、俺と玲史はつき合うことになった。
SHRが終わり。
「一緒に帰ろ」
当然のように玲史が俺のもとへ。
「きみの部屋行こう」
昇降口で自然に言われ……息を飲む。
「いきなり今日、は……」
「やらないよ。寮じゃキビシイし」
「あ……それもそう……だ」
焦る俺を見る玲史の瞳がやさしい……いや。あやしい。
「明日ね。いい?」
聞かれて、開いた口を閉じる。
明日は……無理だ。
心の準備的なものだけじゃなく。身体の都合上というか、日程が。
玲史に言っておかなかったのはマズかった。
「紫道 ?」
合わせた目を逸らさず。
「明日は都合が悪い……ごめん」
じっと俺を見つめる玲史の瞳に、熱が入る。
「今夜でもいいよ。僕のとこで」
ごめん。
「それも、ちょっと……やめておきたい」
校門を出てすぐ。
「都合って何?」
玲史が足を止めた。
「僕とセックスするより大事な用なの?」
「……日曜に法事があって、明日家に帰る」
まず、俺の都合を簡潔に説明する。
「午前中には帰らなけりゃならないんだ」
「あ。大丈夫。ほんとはもっと時間ほしいけど、朝には帰してあげるから」
「玲史……」
ダメだ。
今、ハッキリ言うこと言わなけりゃ。
「悪い。来週にしてくれ。明日、体調崩すわけにはいかない。そんなの気にしてちゃ、集中出来ない。お前と……やるなら、ちゃんとやりたい。大事だからだ」
キッチリ心構えして。
時間なんか気にしねぇで。
玲史が満足するかどうか。
俺の身体は……心は、どう反応するのか。
見極めたい。
「そこまで言うなら、今週末は諦めるけど」
俺の必死の主張を。溜息とともに、玲史が受け入れる。
「わかってるの? 1週間分、僕の欲望はレベルアップするよ」
「ああ……わかってる」
「オッケー。じゃあ、行こ。きみの部屋」
ニヤリと、不敵な笑いを浮かべる玲史。
「セックスは延期だけど。邪魔が入らないところで話すくらいは、いいでしょ?」
今度は、俺のほうが受け入れざるを得ない。
溜息をつき。
俺たちは寮へと歩き出した。
2人部屋の個室のドアを閉め、カバンを床に置くや否や。
「お、おい……れいじ……ッ!」
玲史が俺の腕を掴み、ベッドのフチまで引き進め。腰を下ろさせて膝の間に入り込む。
「ちょっとだけ、いいよね?」
「待っ……んッ……」
いいって言う前に、玲史の唇が俺の口を塞いだ。
「れい……ッ、ん……ッ!」
口の中に入り込んだ玲史の舌が、獰猛に動く。俺の舌に絡みつき、歯の裏を舐め上顎を這う。
強く舌を吸われたすぐあとに、くすぐるように裏側を撫でられる。
玲史の熱が脳に回る。頭から、下へ……下半身が重く疼く。
また……反応しちまう!
何でこんな、玲史のキスは気持ちいいんだ……?
クラクラする……。
座ってるのに……足元が崩れる感覚。
倒れ、ちまう……。
「すぐ勃つね。嬉し……」
「やめろ……! 触る、な……くッ、う……」
ズボンの上から強めに撫でられたちんぽが硬度を増す。
俺を見下ろす玲史の瞳には、濃い欲の色が……って。天井が見える……。
ベッドに押し倒されてるのに気づかない、とか……。
「っあ……ッ……!」
首筋を舐められ。そのまま胸元まで、ねろりと舌で辿られる。
ボタンを外されたシャツを開かれてるのに今気づいた、とか……。
キスに。慣れない快感に、意識持ってかれ過ぎだろ!
俺、ちょろ過ぎる……いや。玲史が手慣れ過ぎてるんだ。
このままじゃ、ヤバい……。
「あ……いッ! なに、す……う、いッつッ……」
乳首をかじられた……吸われたのかもしれないが。
馴染みのない痛みに声を上げた。
「痛かった?」
ギラギラしつつも、やさしい瞳で玲史が聞く。
「ここ、嫌い?」
「痛い。噛まれたこと、ない……からな」
「へぇ……」
かわいい笑顔を見せて、玲史が再び胸に……。
「ッや、めろ……れいじっ……」
今度は乳首を舐め回され、舌でつつかれ。
その刺激で身じろいだら。すでに軽く触られてる俺のちんぽは、布越しに玲史の手に擦られるわけで。
「うッあ……はな、せ……くッ!」
「いい反応」
嬉しそうな玲史の声に、ベルトの金具を外す音が重なる。
「お、い!」
さすがに焦り、玲史の腕を押さえた。
「今日はやらねぇって、言っただろ……!?」
「うん。残念だけどね」
そう言いつつも、玲史の手は止まらない。
快感に負け気味の俺より、玲史の力のほうが上……。
「来週のために、感度を見ておこうと思って」
ズボンの前を寛げられ。ボクサーパンツの上から、勃起したちんぽをギュッとされた。
「んッ、やめ……」
「出したくない? どうせあとで抜くなら、今僕にやらせてよ」
出したい。
あとで抜く。玲史が帰ったら、即だ。
けど。
今この状態で、このまま扱かれるってのは……恥ずかしさで溶ける。もう、身体中熱い。
「この前、僕がイクの見たでしょ」
「アレはお前が自分で……」
「じゃあ、オナる?」
2択、なのか?
何もせず落ち着くまで待つってのは……困難だ。
「きみは、そのほうが恥ずかしいんじゃない?」
「手を……動かすな」
玲史は手を止めず。
俺のちんぽをパンツから取り出して、直に握った。
「でも。今日は僕がイカせてあげる」
「あ……ッ、やめ……ッん……」
玲史の腕を両手で掴んで離そうとするもかなわない。
力が出ないってより、もう……。
「く……ッあ、れい……」
この快感は拒めない。むしろ、ほしい……!
恥じらいも吹っ飛ぶ、玲史の巧み手コキに加え……。
「つッ! は……んッ……」
片手をシーツに押さえつけられ、乳首に吸いつかれ。深いキスをしかけられ。
カウパーでドロドロのちんぽを擦る指の圧が絶妙で……。
「っん……く、うッあ、もうっ……!」
「イキそう? 1回我慢ね」
たった数分で一気に高められ、弾ける寸前。ちんぽの根元を玲史がグッと握り込んだ。
「うくッ! あ、玲史……なに、すん……うあッ!」
また、乳首を強く吸われる。
玲史の舌がチロチロと舐め回し、つくつくと刺激する……乳首が、あり得ない気持ちよさだ……けど、イケない。
「放せ……あッ……つッ……」
「いい顔してる。イキたい?」
俺にそう聞く玲史の顔こそ、極上の笑顔に見える。
「あ……早く……」
「何?」
やっぱり黒い笑顔だ……けど。
今すぐ出せなけりゃ、おかしくなっちまう……!
「イカせて、くれ……!」
「かわい……」
唇が重なった。
差し込まれた熱い舌にしゃぶりつく。
放されたちんぽに血流が押し寄せる。
「んン、くッ!」
亀頭を捏ねられ、尿道口をグリグリされ。
「ッ……う、出るッ……あ、あァ……ッ!」
唇を離した玲史の瞳に射抜かれたままイッ……た。
「はぁっ……はっ、はぁ……」
すげ……気持ちよかった……。
自分ですんのより数段、深い……。
ただ扱かれただけで、コレ……なら。
セックスはどう……。
「感度良好。来週は10倍よくしてあげるから、楽しみにしててね」
俺の精液で汚れた手をティッシュで拭いながらの、玲史のセリフを聞いて……羞恥心が戻る。
顔を伏せて起き上がり、下げられてたズボンを穿き直す。
部屋来るなり、何やってんだ!?
ノーって言えねぇのか。
大したことじゃない……とはいえ。
流されてんだろ。
しかも。
俺だけスッキリして……。
玲史の股間に目をやった。
勃ってると思うが……。
「あ……玲史。お前も……」
何だ?
出したいだろ?
俺もしてやろうか?
恥ずかしいとかはない、だろうし……な。
「僕はいいの。来週まとめて満足させてもらうから」
「けど……よ」
「紫道」
熱を持った玲史の瞳が近づいてきて、耳元に息がかかる。
「僕も。やるなら、ちゃんとやりたい。今……犯されたくないでしょ?」
囁かれた言葉に、頷くしかない。
欲情をコントロール出来る玲史に感心しつつ。性懲りもなく反応する自分の身体に、心の中で舌打ちした。
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