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069 コイツとやりたい:S

 俺の唇をひと舐めして入ってきた玲史の舌が、口の中でうごめく。  舌を吸われ、歯茎から上顎の粘膜を舐られ。されたように、吸って舐めてを返し。絡まる舌の動きに夢中でついていく。  息を吸うのも忘れがちになるほど、ジワジワとした快感が脳に届いて……横になってるのに、身体がフワフワしてくる。 「は……っ、んっ……玲史……」 「ふ……うまくなってきたよ。いい感じ」    唇を離して微笑む玲史は余裕そうだ。 「もっとキスしてたいけど、こっち……どうにかしてほしいでしょ」 「うッあ……ッ!」  ちんぽをギュウっと握られ、腰が跳ねた。  ただでさえフル勃起してるとこ、どんな刺激でもヤバい。 「さわ、るな……っ」 「もうヌルヌルじゃん」  そう言って、溢れるカウパーを先っちょから根元へなすりつける玲史。 「く、やめろッ……!」  ずっと、飯食ってる時から勃ってるとはいえ。  こんな、まだキスしかしてねぇのにイクのは早過ぎだろ!  このままあとひと扱きでもされりゃ、こらえきる自信はない……が、どうにかこらえねぇと……!  股間に集中する快感に全力で抗おうとした矢先。 「じゃ、やめる」  アッサリ、玲史が手をどけた。 「あ……」  やめてほしかったくせに。一刻も早く出したがってる身体は、ガッカリしちまう。 「紫道(しのみち)は、自分でいじってるの? アナル」  視界から外れた玲史に聞かれ。 「そ、んなの……するわけないだろ」  即座に答える。 「へぇ、中がイイコト知ってるのに?」 「それは……」  次の問いに、言葉が詰まる。 「脅されてやられるの嫌でも、覚えちゃったらほしくならない?」  なる。  実際、ナカの快感を思い出して疼くことはある。  けど、康志(やすし)の記憶で……あの男との記憶で抜いたら、負ける気がした。  何に負けるのか、何と勝負してるのか。わからないが、とにかく負けたくなかった。 「たとえなっても、いじってない」  嘘はつけず。 「思い出したくないからな」  これも本当のことだ。 「そっか」  俺の目の前に現れた玲史が、デカいタオルを見せる。 「これ、下に敷くね。アナル使うの2年ぶり? ローションたっぷりにしないと。腰上げて」  言われるままに腰を浮かせ、下ろし。 「膝立てて足開いて」  当然の玲史の要求に、顔が熱くなる。  今からやるんだ。  恥ずかしがっちゃいられない。  恥ずかしいことじゃない。  はじめて、自分が望んで。  俺がやりたくて、やる。  膝を立て、足を開く。 「もっと開いて。無理なら固定するけど」  言われて従う。  足まで縛られちゃたまらない……が、やっぱり。  ギンギンのちんぽ見られるのはともかく。アナルをじっと見られるのは恥ずかしい。  ココを見せて開いて、突っ込ませる。  康志に屈した時の感情は、ただただ惨めで屈辱だった。  あいつが俺を犯したのは、俺に精神的ダメージを与えるため。俺を征服する優越感を得るため。俺のプライドを痛めつけるため。  そう思ってた。  あいつの望み通り、屈辱感にまみれ……セックスってもんへの期待はなくなり、自分の身体にも失望した。  それが変わるかもしれない。  結局。  まだどっかで諦めちゃいないんだろう。  欲を吐き出して満たすだけのセックスに、ほかの意味があること。  刈り取られて空いたところを否応なく塞がれるみたいな快楽じゃなく、自分から求めて得るそれは……特別なもんだってこと。 「オッケー。ちゃんと解してあげるから、リラックスね」  目が合った玲史の顔は、いつもよりやさしげ……に見える。まだ、今は。 「大丈夫。気持ちよくなることだけ考えて……あ」  玲史の瞳が一瞬険しくなり、俺を見つめる。 「きみを脅してやった、あのクソ男。思い出しちゃう?」 「……少しは、な」  康志とのセックスってより、当時の負の感情が蘇った。顔に出てたのか。 「いや……悪い。もう思い出さない」 「違う。思い出して」 「は……!?」 「どんなふうに抱かれたの? 後ろから? 正常位? 拘束された? バイブとかは?」  答えを待たず、次々と聞いてくる玲史。 「毎回イッてた? ナカだけで? ドライでもイケた? 指では? きみが上で腰振ったことは……」 「玲史!」  聞くに耐えなくて、止めた。 「な……に言ってんだ。お前、そんなのマジで知りたいのか」 「ううん。 聞けば嫌でも思い出すかなって」 「何で……?」 「そいつの記憶、僕が抱いて身体からは消せるけど。脳ミソからは消せないでしょ。だから」  玲史の瞳が笑う。 「全部思い出して、僕と比べて。そうすれば、そいつとのセックスなんか思い出す価値も必要もないってわかるから。無意識レベルで」 「は……」  笑った。  自信満々な玲史の予告通りになるだろうと思った。  小難しいことは考えなくていい。  コイツとやりたい。  ずっと欲しがってたろ。  ちんぽ勃てて。  コイツを。  それ以外、今は不要だ。 「リラックス出来たみたいだね」 「ああ……うッ……」  いきなり、アナルにぬるっとした感触。いつの間にローションをつけたのか。粘液をまとった玲史の指先が、閉じた穴を撫でて押して……。 「く……ッ!」  つぷりと差し込まれた。 「やっぱりキツいかな。痛くない?」 「……ない。平気、だ」  アナルの口の襞を伸ばすような指の動きがひとしきり続き。冷たいローションが中に入ってきた。 「う、あ……ッ」  浅いところでアナルを広げてた指がズッと中に進み、そのままグリグリと腸壁を擦る。  ジンジンと緩い快感が湧き上がり。嫌でも、それ以上を求めて焦れてくる。 「そろそろ、気持ちよくしよっか」  その言葉に続く刺激に、身体がビクッとなる。 「ッあ、あ……ううッ!」 「前立腺、こりっこりに膨らんでる。どう? 久々のココの快感は?」 「つッ……んッ!」  俺のアナルをいじるのは初めてなのに、瞬時に探りあてたイイとこをつつく玲史。  康志は、挿れるため広げるためだけに指を動かしたってのに…って。  思い出しちまう。玲史の思惑通り。そして、予告通り。 「イイ?」 「い、い……あッ……!」  ソコがすごく気持ちいいってのは覚えてる。  アナルの中のソコを突かれてイク快感。それに慣れ始めて、それをほしがるこの身体を恨めしく思った。思ってから、わりとすぐに康志の脅しが無効になったのは幸いだった。  それナシじゃいられないってとこまでは、いかずに済んだ。  身体も心も、手放さずに済んだ。  玲史の顔が近づいて、唇に軽いキスを落とされる。 「1回イッていいよ。とっくに限界でしょ」  イキたい。 「けど、お前が……突っ込んでからのほうが、いいんじゃ……」 「もちろん、挿れてからもイカせるけど。このあとはドライがメインだから」  ドライ? さっきも言ってたか? 聞いたことはあるが、何だったか……。  エロ方面の情報には疎くて、無知なことが多い……。 「心置きなく出しといてね」  ニッコリした玲史が、俺の中で止めてた指の動きを再開させる。 「う、あッは……ッ、くッ!」  薄い腸壁越しに引っ掻くように、玲史の指が前立腺をなぶる。  強い快感に目がチカチカする。背中が浮く。頭上で、手枷のチェーンがガチャガチャ鳴る。 「もう1本入れるよ」  玲史の声とともに、アナルの中の指の質量が増す。 「うッ、あッ……ッ!」  間を置かず、さらに強い快感に襲われる。  脆い、剥き出しの快感の源をつねられるみたいな……ダイレクトな、凶暴な快感。   「れい、じっもうイクッ……んッ、あああ……ッ!」  ちんぽの根元に集まった快感が、溜まりまくってた熱が爆ぜた。  腹から胸にかかった生温かい精液の感触。やっとイケた気持ちよさに声を上げ、荒い呼吸をする俺を見つめる玲史……が、黒い笑みを浮かべる。 「ほかのものも出させてあげる」 「は……っ、はぁっ……ほかって、何だ……?」  イッた直後で頭が回らないながらも。不穏なモノを感じて、脱力した身体に力が入る。 「潮吹き、したことない?」 「しお……?」  しお……吹くって、小便漏らす……のか!? 「ないみたいだね」  満足そうな玲史が、アナルに入れたままの指を動かす。 「う……やめ……」  さっきとは違い、ゆっくりと前立腺を軽く撫でるだけで。射精して引いてった快感を少しずつ戻しはしても、イキたくて仕方なくはならない。  それでも、イッた直後の刺激に身体が震える。 「漏らすのは……嫌だ」  SMプレイにそういうのがあって、玲史がやりたくても。カンベンしてほしい。 「オシッコじゃないよ。透明だし匂いもないし。成分的にはほぼ同じって実験結果、読んだことあるけど」 「そうか……でも……」 「好きにしろって言ったじゃん?」  う……確かに言った。  どうしても嫌なことで、どうしてもノーって言えばやらない。そう信じてる前提で。 「ちんぽ触らないでアナルでイケたし、このままナカいじってもいいんだけど……それだと普通にザーメン出ちゃうかもしれないから。最初はこっちで潮吹かせるね」  空いた間をオーケーだと受け取った玲史が、俺のちんぽを持ち上げ。スリスリと亀頭を擦り始めた。

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