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070 ナカにほしい……!:S

 オナニーじゃ、イッたばかりのちんぽを扱き続けるなんてしない。ほかのヤツがどうしてるか知らないが……たぶん、しないはず。  つらいからだ。  快感を解放して、精液を吐き出して無防備のちんぽ。そのてっぺんの部分は今、刺激を受け取るには敏感過ぎて。 「ッあ……! れいッ、やめッ! あッ、う……ッ」 「ちょっとがんばって。射精するのとは少し違う快楽だから」  今回は、やめてくれず。俺の亀頭を擦り続ける玲史。 「やッ……むり、だ……ッく、ああッ……!」  手首に巻かれたベルトが外れるとは思ってない。手枷のチェーンが切れるとも思ってない。思ってないが、ちんぽの先っちょから根元にかけて奔る奇妙な……このつらい感覚から逃れたくて、手枷を鳴らす。 「脚、閉じないで。暴れるなら括るよ。いいの?」  聞かれ。答える代わりに、懸命に動かないよう務めるも。  カリの上部分を手のひらで包まれ。くるくると撫でながら柔く掴むのを繰り返され、チェーンがガチャガチャ鳴るのを止められない。無意識に、逃れようとしちまう。 「ひっあ、あッやめ、くッうッ……!」 「大丈夫。イイコにして」  言いながら。俺の股の間にいる玲史が膝を前に進めて、脚をさらに開かせる。    幸いというか。アナルの中へのゆるい刺激も続いてるおかげで、脚に力は入ららず。玲史を蹴り飛ばす心配はない……が、つらい。  気持ちいいか悪いかっつったら、いいのかもしれない。  でも。  胸が逸る。  呼吸が浅くなる。  腰が痺れたみたいになる。  勃ってんのか萎えてんのか、わからねぇ。  今すぐ終わらねぇと、ちんぽがどうにかなりそうだ……! 「そろそろかな」  玲史が微笑んだ。  同時に、強烈な刺激がきた。   「いッああッ……くッうッ……つッ!」  イッた直後からの執拗な軽い愛憮で、感覚が変に鋭くなった亀頭部分を捏ねながら……尿道を爪で引っ掻かれてる、のか?  とにかく。何でも。  ちんぽが。  ちんぽの奥が。  何かが耐えられない。  漏れる……! 「うあッ、ッやァ、ァ……ッ!」  腹にビシャッと液体がかかった。  出した。水っぽい……何かを。  イッた感覚はねぇ。  射精とは違うコレは、やっぱりションベンが出ちまったんじゃ……ヤバい。恥ずかし過ぎるだろ!  けど……コレ……放尿感とも違って、妙な気持ちよさと……。  何でだ? もっと、刺激がほしい。もう、また……イキたくなっちまってる!? 「潮吹き出来たね」  満足げな玲史が俺のちんぽを放し。さっきの精液と今ので濡れた腹を、敷いたタオルの端で拭った。 「あ……俺……」  羞恥心で顔がほてるが、隠せない。 「これ……」 「オシッコじゃないよ。匂いないでしょ? 実験のやつは、ただのおもらしかもだけど」  玲史がクスクス笑う。 「きみのは潮。今のは強制的に吹かせたの。でも、これからはちょっといじるだけで出るようになるから」  コレがそんな簡単に出来るとは思えない……てより、出来て嬉しいとかはないが、少しホッとした。  残る気がかりは、欲情の増すこの身体だ。 「じゃ、ウォームアップはオシマイ」 「う……ッ」  玲史がアナルから指を引き抜いた。 「挿れたい。きみもほしいでしょ?」  尋ねる玲史のギラつく瞳と、湿った声。  俺に向けられた欲を、心地いいと感じるのは初めてだ。期待で、身体がゾクゾクして熱い。 「ああ……早く、来てくれ」  答える俺に、玲史が顔を近づける。  戸惑いもためらいもなく口を開き、入ってきた舌に自分のを絡め。深いキスを交わし……。 「ねぇ、ゴムつけてやってた?」  唇を離した玲史が、また……康志を思い出すことを聞く。 「ナマで、中出し?」 「……ほとんど、つけてたが……」  事実を伝える。 「1回、中に出された」  キスと同じ。最後の時に。あいつは、ゴム取って突っ込んだ……最悪に、嫌だった。 「ふうん。僕はナマでやるけど、じゃあ……最初の1回だけゴムつけるね」  それを聞いて嫌じゃない自分に、安堵する。 「ああ……」 「あと、きみにはコレ」  どこに用意してあったのか。  カジノでもらったエログッズを、玲史が俺に見せる。 「コックリング。つけるよ」  ちょっと待て、と言う間もなく。 「んッ……!」  ヒモだか輪っかだかのリングを、俺のちんぽにサッサと装着していく玲史。 「このくらいかな。痛い?」 「いや……大丈夫、だ……」  根元をギュッと握られてるような圧迫感はあるが、痛くはない。 「そんなにキツくないでしょ?」 「ああ……たぶん」  ずっと勃ちっぱなせいか、キツさも心地いいっつーか……。  何でもいいから、早く……ナカにほしい……!  指を入れて広げられ。擦られ、イカされて。  久々のアナルの中の感触に。快感に。もっとほしい……この熱をどうにかしてほしい。  その思いを込めて、玲史を見つめる。 「今、あげる」  そう言って、玲史が……俺のちんぽに口をつけた。 「うっ……あッ」  フェラは……何度もさせられたことはあるが、されたのは一度だけ。まったく慣れてない。  しかも、イッて潮吹いて。  刺激に敏感状態になっちまってるままで。  欲情が増したままで。  玲史の口の中はあったかくて、ねっとりして。  舐る舌の動きは絶妙で。  もう、イッちまう! はず……なのに……!?  せり上がる射精前の感覚が腰に集まるも、先にいかない。弾けない。 「ッ、あ……うっ、ッ……! あ、は……はぁ……」  玲史がちんぽから離れ。 「イキたかった?」  嬉しそうに唇を舐める。 「でも、出せないよ」 「な……に、え……?」 「根元止めてるから、普通にザーメン出してはイケないの」  な、んだそりゃ……!? 「その代わり。ナカで、出さないでイカせてあげる。ドライで何度でも、きみが好きなだけ」  ドライ……って、出さねぇって意味……。 「無理、だろ……」 「大丈夫。僕が抱くんだもん」  立ち上がり、俺を跨いだ玲史が片膝を脇の下の横につく。 「しゃぶって。ほしいのはコレだって、認識して」  目の前に、玲史のちんぽ。  勃起して上向いて、スタンバイオーケーで……今から俺を犯す。  イキたくてイケなかった俺の身体に溜まる熱が、求めるモノ。  口を開けた。 「クズ男のじゃないからね」  その言葉とともに口の中に入ってきた、すでに十分に硬くなってるちんぽ。ガツガツ喉を攻めることなく、ゆっくりと抜き差しされるそれをしゃぶる。手を上で縛られてちゃ、頭があまり動かせないが……出来るだけ舌を動かす。  コレは、康志のものと違う。ちゃんとわかってる。  思い出して比べろと言った玲史は、俺の嫌な記憶を全部上書きしてくれるつもり…なのか。 「気持ちい……んッ……もう、いいよ」  口内からちんぽがなくなった。  俺の脚の間に戻り、手早くゴムをつけたちんぽにローションを垂らす玲史。 「紫道(しのみち)……」  恥部を上向きにされ。 「玲史……ッう……」  ヌルヌルの肉でアナルを撫でられ。 「今度こそ……お待たせ」 「……ッ! く、あッ……ッ!」  待ってたそれが、ずぶりと中にめり込んだ。

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