79 / 167

079 何のスイッチが入ったのか:S

 脚のつけ根が強張ってうまく歩けなかったが、腰の痛みはひどくなく。玲史に支えられて風呂場に来て、身体を流し。  ここで、また……やってる。  イッても出しても。イッてるのがわからない射精しても。  まだほしい。  まだ足りない。  まだイキたい。  だから、やるのにノーはない……が、トイレに行きたかった。  けど、ここでやろうかと言われ。待てないと言われ。  玲史の見てる前で小便するのは、抵抗があった……が、見たいと言われ。  けど、出来ず。  ほかのもん出したい欲が勝って、そのまま……。  後ろから挿れられ、突かれ。こらえられない自分の声が響く中で、イッて。ドライでもイッて……。  漏らした。  潮ってのと違う。小便だ。  ナカでイッて。イッてんのに続く刺激で、膀胱がバカになったのか。漏れたら、出るの止められなかった。  この歳で、人前で。普通に恥ずかしいだろ。みっともねぇだろ。  なのに。   身体が熱くなった。恥、だけじゃねぇ。  何でか、ゾクゾクしちまった!  いや。理由のひとつはわかってる。  玲史だ。  小便漏らした俺を鏡越しに見つめる瞳が、ものすごくギラギラ……らんらんっつーか。  コイツが興奮するなら。  もう、いいか。  恥でも何でもかいてやる。  けど。  それまでもけっこう激しく俺を突いてた玲史が、さらにアガッた。  ナカで、精液をぶちまけて……止まらず。抜かず。アナルを埋めるちんぽは、萎える気配がない。  快感がまた、キャパいっぱいに近づいてく。 「くッ、れい……じ、いっかい……やめろッあ……うッ……!」 「何で? やめない、よッ」 「ッあ、そッこ……う、あ……ッ」  突き上げるちんぽに前立腺を擦られ、脚が震える。  浴槽のフチに置いた手はもう、肘ついて腕で支えてる。立ってるのも、限界近い。 「ん……やっぱり、立ちバックじゃ奥届かないな」  言って、玲史がズルリとちんぽを引き抜いた。 「うあッ、は……ッ」 「膝ついて、四つん這いになって」  何のスイッチが入ったのか。  振り向いて目を合わせた玲史の顔が、かつてないくらい獣っぽい。こういう時の、かわいらしい顔に似合わずオス味の強い瞳が……ヤバい。  このまま続けるとマズい気がする。  イキまくって足腰やられて動けなくなりゃ、玲史に俺は運べないだろう。  イキまくって意識飛んじまっても同じ。  理性残してられるのも、いつまでか……。 「ごめんね。きみがやめろって言っても、やめない。気が済むまで抱かせて」  笑みを浮かべる玲史は、ひどく煽情的だ。  何されてもいい……って、思っちまう。 「わかった、好きなだけやれ……部屋に戻ってからな」  膝をつく代わりに、気合でまっすぐ立った。  アナルからこぼれた精液が腿を伝う。 「ッ……流すのだけ、待ってくれ」  せっかくシャワーしに来たんだ。  そう思える程度には、まだ冷静だ。 「いいよ。僕がやる」  玲史も、少しは……いや。あんま落ち着いちゃいないか。  口元は笑ってるが、目が危ない。  「お尻こっちに高くして」  濡れた床に四つん這いにさせられ。言う通り上げた尻に、湯をかけられ。  広げられたアナルにも湯が入ってきた。 「ッあ……そ、中……」  強制的に、腹が温く満ちてく。 「玲史、もう……」  やめろって口にする前に、湯が逸れた。  尻を下げさせられ。腹を押される。 「はい。ジャーって出して」 「う……」  出して、って。  穴、緩んでんだ。出したくなくても出ちまうだろ……くッ、恥ず……。  出てるのは精液と混じった湯。わかっていても、羞恥を感じる。顔がほてる。 「上手」 「ッあ……」 「もう1回」  また湯を注がれ、出す。 「オッケー。次の時は、ココの準備もしてあげるね」 「……それは嫌だ」  その排泄見られるのは、マジでナシ……だろ!  嬉々としたオファーを断り。下を向いたまま、息をついた。  全身を軽く流し、シャワー終了。   股に違和感はあるが、なんとか歩ける。  大丈夫。  玲史と自分の欲に、なんとかついていけそうだ。  浴室を出て身体を雑に拭いて、部屋に向かう。来た時みたいに俺を支える玲史が早足で。半ば引きずられるように歩く。  ずっと黙ってるのは、余裕がないのか。何か考えてるのか。  今さらタオルなんぞは巻いてないから、玲史のちんぽがバキバキなのは見えてる。  俺のもだ。  今日の俺は欲深い。  イッても出しても中断しても萎えても、すぐに勃つ。出すもんなんか残ってないだろうに。身体もだいぶ消耗してるってのに。 「紫道(しのみち)」  寝室に着き。俺をベッドに押しやった玲史が、すぐにのしかかってきて。 「先に言っとく。僕、セーブ出来そうにないから。無理させると思う。痛くするし、傷つけちゃうかも」  熱っぽい瞳で、不穏なセリフを吐く。 「でも。さっきも言ったけど、やめる気はないんだ。逃げたかったら今……僕を殴り倒して出てって」 「……俺も言った。好きなだけやれ」  玲史の首に手を回して引き寄せる。 「逃げないから、道具は使うな」  返事はせず、玲史が唇を重ねてきた。 「ん……ッは……」  絡める舌から、すでに熱い身体中に熱が回る。さらに、熱く。欲が広がる。 「最初は前から挿れるね」  アナルにローションを塗り込めて、玲史が指を差し込んだ。確かめるように腸壁を引っ掻く。膨らんだ前立腺をつつく。 「つッ……あッ……」  すぐに。  抜かれた指より太く長い肉が入ってきた。  けど。  ここまでの性急さとは逆に、ジワジワとゆっくりナカを進む。 「ッはぁ、玲史……」  無意識に、激しく犯されるのを期待してたのか。  弱い刺激がもどかしい。  もっとガンガン突いてくれ。  もっと擦って抉って掻き混ぜてくれ。  どうにかなっちまうくらい、よくしてくれ!  無理させるっつったろ? 「まずは準備だよ」 「いッ……ッそれ、く……うッ……!」  乳首を両方、つねられた。  容赦ない強さで。潰れる、痛い……! 「痛いのも感じるようにしてあげる。痛いけど気持ちいい、ツラいのがイイ……って感じ?」 「やめッ……」  自由な手で、玲史の腕を掴む。離そうとするも、ビクともしない。  いろんなとこに意識がいってて、力が出せない。縛られてなくても、抱かれてる状態じゃ……玲史を止められない。 「ッん、あ……ッあ、くッ……!」  アナルの中で快感が奔る。イイトコロをガリガリ擦られて、腰が浮く。 「痛いのとイイの、一緒だともっとイイでしょ?」  捻り上げた乳首を離し、ナカで動くのもやめる玲史。 「さっきは中途半端に焦らしたけど、今度はちゃんと……イカせない」 「なん、で……」  何度か聞いた、な。  エロくねだらせたい。  イキ過ぎて意識飛ばねぇように……か?  つうか……。  何で、そんな冷静になってんだ!?  挿れるまで、あんな急いでたのに……一周回って平常心か?  いや、これ……。 「ほしくてたまんなくしてから、あげる。イキたくてイキたくてツラがるの、見たい。そのあと、いっぱいイカせるの」  邪気アリの瞳して、微笑む玲史。 「それまで、飛んじゃダメ。今の僕ねぇ、ヌカロクも余裕な気分……まだまだ、だよ」  ヤバいやつ、だろ……!?  ヌカロクって何だ?  何でもいい、か。  もう、逃げられねぇ……いや。  逃げる気はねぇ。  むしろ、アガる。  無意識じゃなく期待してる俺も、大概だ……な。

ともだちにシェアしよう!