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128 守りたいから:R

 思ったより早く、城戸(きど)がフィニッシュ。  清崇(きよたか)を犯してすぐの2発目にもかかわらず。初めてのセックスに夢中になるみたいに腰振り続けて。こっちの状態なんかおかまいなしで。  そのおかげで、危なげなくイカずに済んだ。  八代以上にヒトリヨガリの抱き方の城戸で清崇がイッたのは、ペニスの突く角度と前立腺の位置がちょうどいい具合に合ったからか……僕は合わなくてよかった。 「ノブ、まだだな」  城戸の言葉に顔を上げる。  途中から、正面に清崇が見えるこの向きでやってた。神野の指示で。  恋人が犯されるのを見ながら、自分も犯される。それを楽しめ……って、ほんと悪趣味だよね。 「もっかい挿れとく? お前まだイッてねぇだろ。ほしいっつえばやるぜ」 「……いい。要らない」  オファーするからには、勃起出来るんだろうけど。さすがに2回出してスッキリした表情の城戸を見て、ノーにする。  ほしいって言ったら、気をよくして突っ込まれそうだもん。イキたいまま放置して焦らすとか、考えなそう。ほしがるならやらないってイジめ方も出来なそう。 「少し、休ませて。痛いし……ツラいから」  八代の下で喘ぐ清崇から目を逸らして。訴えるように言ってみる。  コレに参加してる城戸は、まぁまぁクズだけど。非道度合いは低そうだし。S気もなだそうだし。単純そうだから。  肉体的精神的にやられてカワイソウって、ちょっとでも思ってくれる……のは、ムリでも。話してれば、ちょっとでも休憩出来れば身体がラク。イカなくても、ずっとペニスでナカ突かれて快感に晒されてれば消耗するから。 「自分の男がやられんの、どうよ?」  城戸が尋ねる。 「最悪」  清崇じゃなく、紫道(しのみち)だったら。 「てめぇがやられんのは?」 「……最低の気分」  紫道がやられるよりマシだけど。 「どうしてこんな目にあうのか、わからない」  本当はわかってる。  守りたいから。  それだけ。  理不尽に屈するのも。  レイプされて平気なのも。 「リュウさんと理玖(りく)の逆鱗に触れたんだろ。俺らはラッキーだけどよ」  神野と……理玖。 「博己(ひろき)は地雷だからな。あれ? アイツどこ行った? リュウさんもいねぇ」  城戸じゃない。城戸がノブって呼んでる八代でもない。  残るは……。   「やりまくれって言われてんし。ちんぽ大好きになるにゃ、まだ足んねぇみてーだから」  城戸が目の前に来て。 「しゃぶれよ」  半勃ちのペニスを至近距離で揺らす。 「やろうぜ」 「……やだ」  オッケーって口開けると思うの?  自力で勃てられないのに、協力する義理ないし。  合意とはいえ、輪姦されてる身だし。  自分のアナルに入ってたペニス、喜んで舐める性癖ないし。  フェラさせたきゃ、ムリヤリ口に押し込めばいいじゃん。  他人が用意した状況で。自分に何の関わりもない男2人を、ラクに犯して。ラッキーな遊びで。もちろん、罪悪感なんかナシで。  ズルくない?  自分がクズだって、少しは自覚してほしいよね。 「へ? リュウさんと話ついてんだろ?」  不思議そうな顔の城戸にムカついて。 「今日、ここで。レイプされることに合意しただけ。好き好んでヘタクソのちんぽほしがるわけないでしょ」  素で喋る。  ヒリヒリするアナルから精液垂らして。ペニス濡らして。すぐそこで恋人のテイの男がやられてる声聞きながらでも。  素の僕は平気。  自分を犯した男に、恐怖心なんかサラサラない。 「きみはやる気のない男を犯すクズなの。僕をボロボロにしたいなら、本気でやってよ」  反抗的過ぎるのはマイナスかなぁと思いつつ、煽った。  どうせ、この男に僕を攻めるテクはないし。  カッとして殴られても別にいいし。  乱暴にやられてもいいや、もう。  やっぱり。  従順に抱かれてる感より、レイプされてる感があるほうがまだマシ……。 「はぁ!?」  簡単に逆上する城戸。 「望み通り、ブチ犯してやる」  仰向けにされて、脚を割られ。  怒りで硬度を取り戻したらしい城戸のペニスがナカへ。 「ぅくッ……!」 「あーすっげイイっ」  3回めの挿入だけど。1回めも2回めも短時間だったから、アナルはまだキツくて痛い。  でも。  フェラしなくて済んだし。  城戸にやられるダメージは大してない。  快感に翻弄されるリスクは低いし。  この分だと、わりと時間かからないでイクだろうし。    「泣いてもやめねぇからな」  だから。泣かないってば。  あ。泣いたほうがいいのか。打ちひしがれないと。ボロボロにならないと、終わらないのか。  強がりと傷心と屈辱感と絶望感、演じて見せないと。  神野に。  博己にもか。  あ……もうひとり。  理玖。  理玖っていうのは……。 「抜いてくれ」  声がした。 「は? 今挿れたばっかだぜ!?」 「後ろから突っ込め」  友井の声。 「わーったよ」 「……ッん!」  城戸がペニスを抜いて、僕を裏返して腰を持ち上げて。すかさず再挿入。 「は……ぁ……ッう!」  僕の前髪を鷲掴んで上を向かせたのは、友井だ。 「お前を泣かすのは俺がやる」  言って、髪を放して顎を掴んだ。  この男が理玖……。 「ッんん……ッ!」  強い力で口をこじ開けられ。有無を言わさず、ペニスを咥えさせられた。  頭をガッチリ押さえられ。 「歯を立てたら殴る。お前の男が悲しむぞ」  微妙な脅し。  殴られるのは全然かまわないんだけど、噛みつくのはやめておく。  清崇は悲しまない。でも、直接的な暴力の跡が残ってたら……紫道は気にするかもしれないから。  すでに十分勃起してるペニスが、一気に口内を埋める。 「……ッつ! ぐ……ッッ!」  容赦ないイラマ。  喉奥をガンガン突かれ。不快感と嘔吐感に耐えるも、苦しくて。逃れようと友井の腕を掴んで引くも、剥がれない。  合意のプレイだと、されてるほうもイイっぽいし。苦しいのが好きな子もいるし。苦しい顔見るのも悪くないしで、僕もしたことあるけど……。  マジで苦しい!  しかも、後ろからも犯されてて。  運よく。城戸のペニスは前立腺を外してるおかげで、快感はほぼナシ。ただ。射精が近いのか、ピストンが激しくて。衝撃で前に揺さぶられて、友井のイラマがよけい深くなる。  生理的な涙で視界が滲む。  気が、遠くなる……。 「くッそ、あ……イクッ!」  城戸がイッたた。この1時間に3度めなのに、早い。  友井は、まだ……!?  もともと大きめのペニスが質量を増して、口内から引き抜かれた。 「う、はッあ、は……ッはぁ……ッ」  酸素、補給しなきゃ……。  前も後ろも開放されて、シーツに突っ伏した。 「ふう……悪ぃ、ヘタクソでよ」  超スッキリ顔で、城戸が言い。 「3Pもイイな。ま……あとは理玖にまかせて、俺はちょい休憩。コイツ、タフだから……存分にやってもらえるぜ」  去った。  間を置かず。  次は、友井の番。  イラマで完勃ちなったペニスは、けっこうなサイズで。これでタフだと、しんどいかも。イイトコロを攻めるテクがあったら、キビシイかも……。 「玲史」  乱暴に身体を起こされ、押し倒された。  僕に跨って見下ろす瞳が暗くて。性欲じゃない何かでギラついてて。 「俺はクズだからな。容赦はしない」  4人めは、かなり手強そう。  だけど。  大切なモノがあるから……大丈夫。

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