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遠距離恋愛編 (1-1)※R18
「また来たの…?」
前回会ってから2ヶ月も経たずにドイツへ来た翔。
彼の住む日本と珊瑚が暮らすドイツは距離にして9000キロ以上、飛行機と電車で12時間以上の長がつく遠距離なのだが、その距離を感じさせない頻度で会いにきてくれることになった。
「相変わらずツンデレだねっ!
1ヶ月半振りだよ?
さぁ!遠慮なくデレてくれていーんだよっ!」
「相変わらずのアホだな……。」
「アパート借りたって言うから楽しみにしてきたんだ!こっから(空港)近いの?」
「まぁ…実家よりは都会だよ。」
「そっかー!
早く行こ。で、えっちしよ?
…珊瑚が好きなお土産あるよ?」
前に使ったオモチャを持参した翔は耳元でそう囁くと珊瑚は哀れみの目で恋人を眺めた。
新人写真コンテストで賞こそ逃したが、縁あって写真家の老夫婦のところで勉強をしながら、弟子の撮影の手伝いのバイトもさせてもらっている。
少し新生活が安定した珊瑚は駅からは多少歩くが、バスの便が良い街中にアパートを借りたのだ。(老夫婦のところに下宿していたが、頻繁に翔が遊びに来るため)
ここから実家までは電車を乗り継いで2時間程。月に2~3回程帰省して、弟たちの面倒を見たり、買い出しなど祖父母の手伝いをしている。
「いい部屋だね。
俺も一緒にここに住みたいな。」
本気なのか冗談なのか分からないことを呟きながら窓の外を眺める翔。
2DKの古いアパートだが、日当たりや景色もよく、治安も良いそうだ。
「斜め向かいがパン屋だから覚えやすいだろ?
このペースで遊びに来るつもりなら一人で空港からここまで来れるようになれよ?」
「うん!パン屋近くていいねー!
朝起きたら焼きたて買いに行ける感じ?」
「あぁ。コーヒーも旨いよ。」
「最高だねっ!」
夕食を食べに行こうと誘われたが、普段は節約のために自炊しているという珊瑚。
翔は自分が作るからとキッチンに立った。
「えー…俺やるよ。」
翔の料理はお世辞にも上手とは言えないので不安がる珊瑚。
まぁ、珊瑚もスープと卵やソーセージを焼くくらいしか作れないのだが…
「大丈夫! 最近凪のとこで修行してるから!」
2人で狭いキッチンに並び、珊瑚は野菜スープを、翔は鶏むね肉でピカタを作る。
「いいね、新婚さんみたいで。」
珊瑚の腰を抱いて頬にキスを落とす翔はご機嫌だ。
「…ちょっ! 服に粉ついたんだけど…!(苦笑)」
珊瑚も久しぶりの恋人との時間を楽しんでいるようだ。
ドイツワインで乾杯し、ささやかな夕食を囲む。
バケットは向かいのパン屋のものだ。
「うまっ! スープと合うね。」
「肉、安いむね肉だけどパサついてない…旨い。」
「良かったっ!」
「日本で高いもんとか食わせてもらってたのに、こっちではこんな質素なもんで悪い…。」
「全然っ!美味しいよ!
ずっと何年もコンビニ飯か外食だったからこういうの憧れてたんだ。
それに俺のメインはこれからじっくりいただくし!」
「バカ…っ!」
交代でシャワーを済ませて、寝室へ。
「珊瑚明日仕事でしょ?」
「そーだけど?
翔…はどうすんの?」
いつもあんたとかお前と呼んでいたので名前を呼ぶことにまだ慣れない様子の珊瑚。
翔はそんなもどかしさも愛おしく感じていた。
「着いていきたいけど邪魔だろうし…
主夫するよ。掃除洗濯、買い物…お任せを!
ってそーじゃなくて…!
今日は俺…下やろうか?」
「珍し…、何で?」
「だって俺、絶対ガッツいちゃうからさ…!
明日の仕事に響いたら大変でしょ?」
「へぇー…優しいんだ?」
「うん…まぁね?」
「…19才の性欲ナメんなよ?」
「う…っ!
大丈夫、俺も溜まってるから…っ!
あ、誕プレ、一緒に買いに行こーねっ!」
2人は激しいキスを交わして絡み合う…
久しぶりの行為、しかも受け入れる側はキツかったが、翔は珊瑚の望むままに抱かれた。
「…オモチャ使っていい?」
「え、いいけど、何使うの?」
行為の合間に珊瑚に提案されてその手のグッズが入った鞄を漁る。
「翔にもコレやらせたい。」
示されたのはmadeinjapanのオナホで翔はマジかと呟いた。
「俺にはこっち…。
オンラインSEXでこんなんまで覚えさせるから…最近後ろに挿れないとイケない…最悪…。」
「かわいっ!
こんな小さいローターでいいの?
バイブもあるよ?」
「そんなの…緩くなったらやだ…っ!」
「かわいー!
あー、早くやろっ!」
珊瑚の良い所にローターを仕込んでから、背後位で繋がり、翔のモノには珊瑚の手でオナホを装着する。
「ヤバい…!
スゲーエロいことしてる…っ!」
「はぁ…っ!
あ、いきなりスイッチ入れんなよ…!」
「あ、ごめんね。
ヤバい、気持ちいーねっ!」
「…俺の中とそれん中、どっちがいーの?」
「そんなの珊瑚の中に決まってるじゃん!
あー、早く週末になって!」
濃厚な再会の夜となり、互いに息を切らしながら駆け抜けた。
「はぁはぁ…っ!」
「スゲー良かったけど…やっぱ欲張り過ぎちゃダメだね?(笑)」
翔の言葉に珍しく頷いた珊瑚だった。
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