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マジかっけー! 応援団団長・土方誠 3

 また、兄貴たちのように、一流大学に受かるほどの頭脳はないから、実力に見合った学校を探すと、それならば、わざわざ東京まで通わなくても近場で、工学部もあるという理由で受験を許可されたのが、この伝統ある神奈川理科大学、略して神理大だった。  ユニヴァーシティつまり総合大学ではなくカレッジ、理系学科のみの単科大学なので男子学生が多く、バンカラな校風だという点が気に入った俺も入学を承知し、箱入り息子は晴れて大学生になれたという次第。  バンカラなんて言葉、今では耳にすることもなければ、お目にかかることも滅多にないだろう。断っておくけど、ここで言うバンカラは野蛮とか下品の意味じゃなくて、男らしいとか、硬派ってことだからな。  小田急線の最寄り駅で下車し徒歩十五分。八重桜の舞い散る通用門をくぐってすぐに左折、理学部の校舎の脇を抜けてからキャンパス内を横切るように続く道を行くと、アイボリーに塗られた壁が間近に迫って見える。  これぞ鉄筋五階建ての我が工学部校舎、そこにたどり着いた俺の背後に誰かが忍び寄る気配がしたかと思うと「ミッサオちゃーん、おはよっ!」という調子のはずれた声が聞こえてきた。声の主は工業化学科のクラスメイト、赤木と青柳だった。  赤木は茶髪にピアス、破れたジーンズを腰パンにして履いた遊び人風の、いかにもイマドキの大学生だし、メガネデブの青柳は見るからにアキバっぽくて、アニメの美少女キャラにメチャメチャ詳しい。

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