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マジかっけー! 応援団団長・土方誠 7

「尺八かぁ。ボク、ミサオちゃんが吹いてくれるなら入会しちゃうけど」  その意味するところに気づいた俺は尺八を汚すようなことを口にするな、と怒りも露に「天誅!」と叫ぶと、青柳の横面に右手で必殺パンチを食らわせた。  しかし、女並みの細腕にパワーもない、そんな俺のパンチが効くとは思えないのに、青柳はわざとらしくよろけて、彼の後ろから来た人とまともにぶつかってしまった。 「……痛ってえな、この野郎!」  相手の姿を見た俺たちは唖然とした。そこにいたのはまさに天然記念物、レッドデータブックもの。小太りな身体に学ランをまとい、ヘアースタイルはリーゼントという男が青柳を睨み据えている。  その小太りで醜い男から数歩下がったところにいるのはこれまた学ランを着た背の高い、苦み走ったイイ男。冷静な表情で目前の二人を見比べていて、この迫力ある相手の様子に恐れをなした青柳は平身低頭、「すいません」を連発した。 「まったく、デカい図体して、女に殴られてんじゃねえよ!」  小太り男が吐き捨てるようにそう言ったんだけど、ちょっと待った、殴った女って俺?  まあ、そうだよな。男が女装をするのとは違って、女は男と同じような服装をしてもおかしくはないし、俺の場合、ジーンズやTシャツといったユニセックスなファッションだと、知らない人にはトリプルAカップの女だと思われても仕方ないんだった。  だからといって、学ランのような男っぽい服装は似合わないし、男装の麗人扱いされるのがオチ。時代遅れはいえ、そういう格好が出来るこの人たちが羨ましくもある。

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