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マジかっけー! 応援団団長・土方誠 9
「よその大学の事情は知らないけど、体育系の学校ならあるんじゃない?」
「それにしたって、バンカラだか硬派だか、そいつがウチの校風だってイキがってるけどさ、そんな言葉、もう死語だぜ、死語」
「そうだね。それにボクとしてはチアガールの応援の方がいいなあ」
赤木たちは応援団の存在に否定的だが、俺は彼らとの出会いに、特に土方という人に衝撃と感動を受けていた。
なんてカッコイイんだ! さっぱりと仕上げた黒い髪、きりりと整った顔立ちの目つきは鋭く、時代劇の若武者役なんかが似合いそうだ。ちゃらちゃらしたところが一切ない、クールでストイックな姿勢はどれもイマドキの軽薄な大学生が失ったものばかり。
落ち着いた大人の男の物腰にシビれた俺は憧れのまなざしで土方さんを見送った。
バンカラな校風は受け継がれていたんだ、あの人たちに。何だかとっても嬉しかった。
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