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最悪ライバル プルプル女 1
次の日、難解極まりない物理学の講義が終了し、本日の授業から解放された俺が教室を出たところでちょうど赤木に会ったため、二人で学生会館へと向かった。
「和室をほぼ毎日押さえたって話してたよな。すげえ気合入ってるじゃん、同好会」
「そのたびに車から楽器を運ぶのも大変だけどな」
「一番大変なのは豊城さんだぜ。自分の家から毎回持ってくるんだろ? ガソリン代だってバカにならないし」
「セレブにとっちゃ、そのぐらいのはした金、どうってことねえだろう」
俺の言葉を聞いて赤木が妙な顔をした。
「あの人の家庭事情を知ってるのか?」
「えっ、いや、その……ちらっと聞いただけ」
ヤバイ、変なことを口走ってしまった。
さらに赤木が何か言おうとした時、建物の上から大声がして、驚いた俺たちはそちらを振り向いた。
学生会館の一、二階に比べて、三階より上はワンフロアーあたりの床面積が狭いのだが、それは三階の一部、向かって右側の部分がバルコニーという造りになっているから。
つまりこの建物は総五階建てではなく、横長の直方体の上に縦長の直方体を乗せたような形をしているわけだが、大声がしたのはそのバルコニーからで、見上げると黒服の異様な集団が十数名ほどで辺りを陣取っている。あれは応援団だ、いったい何を始めたんだ?
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