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最悪ライバル プルプル女 8

 すると、みんなの間に「ええーっ!」というドヨメキが起きて、その反応の凄さに俺は腰を抜かさんばかりに驚いた。ここはそこまで反応するシーンじゃないと思うけど…… 「あ、綾辻さんって、お、男だったんだ」  口をガクガクさせてどもる白井さんの言葉で俺にはすべての合点がいった。  三曲同好会のメンバーのうち赤木、青柳、聖爾以外の全員が今の今まで俺のことを女だと思っていたフシがあり、ゆえに聖爾と俺が婚約していると聞いても、彼らは大して驚かなかったわけで、それどころか、合奏の息もぴったりな俺たちの関係がアヤしい、デキてるのではと、昨日から噂していたらしい。  もっとも、俺のような新入生に関する情報なんて、上級生の連中に正しく伝わるとは限らないけれど、昨日ここで何時間か一緒に練習したんだろうが。白井さん曰く「そう言われれば、女にしちゃ声が低いなと思った」だと。いい加減に気づけよ、って。  緑川教授はメンバーの中で俺だけを「さん」づけで呼んでいた。聖爾は美佐緒さん、赤木たちがミサオちゃんと呼ぶせいかと思いつつも、ずっと妙な感じがしていたのだが、その理由がようやくわかった俺も相当のマヌケだ。  目をまんまるにしている男性陣、そして桃園恭子は嘲るような笑い声を上げた。 「あなた、男だったの? だからそのプチバストなのね、謎が解けたわ。ふうん、男のくせに箏はやるわ、ミス・キャンパスに立候補するわ、それってちょっと変態じゃない?」 「なんだと?」

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