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御宅訪問 お邪魔しま~す 4
「これはマンデリンかな。いい香りだね」
ブラックのままコーヒーを飲む聖爾の斜向かいに座った俺はこれ見よがしに自分のカップの中へ砂糖とミルクを入れた。
とりあえず言うべきことは言ってやろう。俺は「もしも俺が女だったら……」と切り出してから、ヤツの顔色を窺った。
「どうしたの、急に」
「俺が女ならホモへの目覚めもなかったし、わざわざイギリスに留学したり、見合いなんかの小細工をしたりせずに済んだんだろ?」
「まあ、そういうことになっただろうね」
「赤木が言ってたぜ、本物のホモは互いを真の男と認めた男同士の脛毛が絡み合う、汗臭い関係だって。あいつの言う通りに定義していいのかどうかまではわからないけれど」
「ふうん、赤木くんがそんなことをねえ」
表情を変えずにカップを口にする姿が憎らしく、目に力を込めて睨みつけてみる。
「女のつもりで見初めた相手の性別が男だった、本当は女だったら良かった。つまり、男よりは女相手の方がいい、っていうのはホモじゃなくて、えっと……」
「バイセクシュアル? それともヘテロだと言いたいわけ?」
「そういう分類はわかんねえよ。ただ、元々男しか受け付けないわけじゃないし、女相手に戻ろうと思えば出来るんじゃないのか」
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