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御宅訪問 お邪魔しま~す 10

 感心している場合かよ、タコ。 「男である土方くんのことが好きなら、つまり君はホモでもゲイでもオカマでもない、ではなくなったわけだ」  そのセリフを持ち出されて、俺はぐうの音も出なくなった。 「そっちに目覚めたってことは、まったくのノンケじゃなくなったわけだから、大いに希望が持てるようになったよ」 「希望って、それ、何言って……」  俺はただただ唖然としていた。この男、全然メゲていない。むしろ俺がホモの仲間入りをしたと知って喜んでいる。何とまあ、プラス思考っていうか、楽天的なんだろう。 「土方くんに負けるとは思っていないからね。さて、コーヒー美味しかったよ、御馳走様でした。明日も練習に来てね」  自信満々に言い放った聖爾は立ち上がって踵を返し、ぽつんと取り残された俺はしばらくの間、その場から動けずにいた。

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