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勃発! 合奏バトル 9

 土方さんは彼らしからぬ、情熱的な口調でそう力説し、俺をじっと見つめた。アコガレのマイダーリンに見つめられちゃってドキドキ、ガチガチ、しどろもどろの俺を見ていた桃園恭子は「コンテストの舞台で箏を弾くの? アタシもそうするつもりだったのよ。それならちょうどいいわ、お箏対決でひと勝負しない?」などと言い出した。  妙な展開になってきた。彼女曰く、今度のコンテストで、より上位に入賞した方が勝ち。俺が勝てば聖爾のフィアンセと認めるが、負けたら婚約を解消しろと切り出したのだ。  ただし、ずっと自宅で練習していて、経験の長い俺の方が演奏に関しては有利。そこでハンディとして尺八との合奏を条件とし、自分はベテランの聖爾と、俺には初心者の土方さんと組むよう提示した。舞台に立てるのはミス候補のみという決まりはなく、お手伝いやら助っ人などのグループでも構わないので、二人で出るのもオッケーなのだ。 「メ、メチャクチャだ! コンテストと、豊城さんたちの婚約と何の関係があるんだ? 先生がいない隙に勝手なこと言うなよ!」 「そうだよ、絶対におかしいよ。そんな勝負受ける必要ないって」  赤木と青柳はそう言って俺を援護したが、「うるさいわね、外野は黙ってて」と一喝した女はさらに「別にいいのよ、やる気がないなら、こっちにも考えがあるわ。部室が欲しいんでしょ」と、暗に代表を降りるようなことを匂わせ、俺たちを挑発した。 「どう? この勝負、シッポを巻いて逃げたりしたら、男がすたるわよねえ」

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