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ミスコン終了 それマジっスか? 5

 超シュールでアドリブ満載、滑稽を通り越してお笑い劇場と化したかぐや姫の茶番劇だが、あれでいて審査員の皆さんにはウケたらしく、俺たちは三位という輝かしい成績で入賞し、応援団は部室を手放さずに済んだ。  二位はあのフラメンコ、そして栄光の一位はなんと、エントリーナンバー十三、食堂のオバちゃんが披露した南京玉簾だったのだが、オバちゃんを持ち上げないと、食堂の御飯の盛りを減らされてしまうのでは、という危惧が一位入賞に結びついたらしい。美しさを競うだけなら俺が絶対に一位だったと、赤木たちが力説していた。  審査結果の発表前、桃園恭子のミスコン三連覇は絶対に無理だという雰囲気が充満していたが、それは仕方のないことだった。  わざわざ難しい曲を選んでまで、箏で俺と張り合う必要なんかなかったのに、もっと違う方法でアピールすれば評価も違ってきたのに。それは聖爾と俺を合奏させたくない女心の行き着く先だったのだろう。  結局、聖爾たちは本来ならとても入賞に及ばないと思えたのだが、かぐや姫劇への友情出演の好演が功を奏してか、十五位ギリギリで部室をゲットし、三階の一番隅の部屋は晴れて三曲同好会の所有となった。もっとも、この同好会のバックに緑川教授がついているから、という口さがない連中もいたけど、手に入れてしまえばこっちのもの。  そんなこんなで今年の学園祭も終了。念願の部室獲得を果たした同好会のメンバーはその祝賀会と、お疲れ様の打ち上げを兼ねて飲み会を企画した。

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