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ミスコン終了 それマジっスか? 10

「ねえ、美佐緒さんったら、そんなに慌てることないでしょう、ちょっと待ってよぉ」  あのルックスでオネエ言葉を使われるとコワイ。ついつい足早になる俺だが、 「待ってったらぁ。訊きたいことがあるのよ」 「きっ、訊きたいこと?」 「美佐緒さんが好きなのは聖爾さんじゃないって、この前言ってたわよねぇ」 「確かにそう口走ったけれど……大変申し訳ないけど、その……」  憧れていた相手の正体がオネエだったなんて、俺としてはトホホ以外の何物でもない。  しかも恋敵あり。知らない間に二股掛けられた上、ポイ捨てされかけている黄山の妬み恨みの標的なわけで、その黄山は後ろから誠さんの身体を羽交い絞めにした。 「何するのよっ!」 「おまえ、このオトコオンナがそんなに好きなのか? オレよりもかっ! ちくしょう、女だと思って安心していたのに……やっぱり合奏なんて反対すればよかった」  黄山の醜い顔がドス黒い嫉妬の色に染まってゆく。この世のものとは思えない恐ろしさに俺の背中は冷や汗たらたら、すっかり足がすくんでしまった。  地団駄を踏んで悔しがる黄山を見下し、誠さんは「やーねぇー、違うわよ。アタシが好きなのは豊城聖爾さん」と言い放った。  えっ? 今何て言ったんだ? 呆然とする俺の耳に、とんでもない言葉が次々に飛び込んできた。 「研究室に入ったときから目をつけてたの。モロ好みなのよねぇ。婚約してるって聞いてすっごくショックだったけど、婚約者が男ってことは彼もホモでしょ。しかも婚約は嘘で、おまけに美佐緒さんは他に好きな人がいるって話だし、それならアタシにもチャンスがあるじゃない? これって超ラッキーね!」

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