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ミスコン終了 それマジっスか? 11

 誠さんが興味を持っていたのは俺の婚約者である聖爾だった。それをどこでどう取り違えたのか、桃園恭子も黄山も相手は俺だと思い込み、俺自身もすっかりその気になっていたなんて、穴があったら入りたい。  が、よくよく考えてみれば、ホモの関係で女役らしい誠さんがこれまた女役の俺に惹かれるはずはない。あーあ、なんてこった。 「豊城聖爾だと?」  今度は怒りで膨れ上がる黄山の表情はとてもじゃないが直視出来ないけど、嫉妬深い彼の反応には慣れっこなのか、誠さんはその存在を無視して、俺に語りかけ続けた。 「で、美佐緒さんの好きな人って誰? うまくいくように協力するから、その代わりにアタシと聖爾さんを取り持ってくれない?」 「い、いえ、それは……」  何と答えればいいんだ。誠さんとの間を取り持つなんて、そんな真似出来ない。あいつは、聖爾は俺の大切なフィアンセだから……  焦り、戸惑う俺はとにかく聖爾のところへ戻ろうと、四階の廊下を前へ、前へと進み、いつの間にか突き当たりのドアの前に追い詰められていた。ドアに鍵はかかっていない。  無我夢中でノブを回してみると、ドアの向こうにあったのはこの学生会館の外づけの階段で、それは三階のバルコニーまで下りられるようになっていた。 「おい、誠、いい加減にしろ!」  黄山は何としてでも行かせまいとして、誠さんの手を強引に引っ張った。 「まったくもう、ウザいんだから。あんたなんかキライよ、ハイ、さようなら」

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