乳嘴(にゅうし)を唇の上下で挟んだ。ついばむだけの悪戯を繰り返し、乳首はもとより乳暈が粒だってきたところで舐めころがしてやれば、 「ぅ、あ……ぁ、あ、ん……」 　もっと、とせがむように天音は十指を髪の毛にもぐり込ませてきた。和毛(にこげ)に手を伸ばすと、茎は蜜をはらんでわたしの指をぬらつかせる。感度がいい、にもまして素直に悦びを表す点が好ましい。 　義弟と情事になだれ込んで、と思えば慙愧(ざんき)に堪えない。罪悪感が薄れたわけではないが、おもしろくないのもまた事実だ。 　ぞんざいな愛撫に全身を波打たせるまでに、この瑞々しい躰を開発したやつが天音の過去に存在する──そう思うと、我知らず顔がゆがむ。 　ぎりり、と乳首に歯を立てた。痛い、と天音は呟き、それでいて誘いかけるように腰を揺らめかす。 　そして凄艶な眼差しを投げかけてくると、下生えにあった手を双丘の狭間に導いた。 　わたしは瞬時、凍りついた。売り言葉に買い言葉のような展開で天音を抱くことになったが、それとこれとは話が別だ。本来、排泄器官にあたる後ろをいじることには、生理的な嫌悪感を覚える。 「ここを満たしてくれるものが欲しくて欲しくて、気が狂いそうなんです……」 　情欲にかすれた声でそう呟くと、天音は半身を起こしてくちづけてきた。濃厚に舌がからむ。乳首が、Ｔシャツ越しに胸を押してくる。その嬌態にそそられて、雄身が反り返る。 　びょう、と風が鎧戸を叩いた。おどろおどろと雷が鳴り渡るたびに、わたしのそれを搦めとった舌が震え、その濃やかな震動が得も言われぬ快感を生む。 　嵐が天地(あめつち)を揺るがす外界に負けず劣らず、わたしの胸中でも欲望が吹き荒れる。 　思いきって蕾に指を這わせた。しかし秘孔は鎖(とざ)されていた。困惑ぎみに手を引っこめると、天音はその手を捉えて口許に持っていく。 　中指をねぶり、唾液をからめた。それから、うなずきかけてきた。 　あらためて谷間を暴いた。見よう見まねで襞を丁寧に解きほぐす。おずおずと蕾がほころんできたところで、つぷりと指を沈めると、組み伏せた躰が、途端に弓なりに反った。 「ここが、好きなのか、内(なか)が……そんなに感じるものなのか」 「気持ち、い……い……ホーデンの真裏あたりを集中的に虐めてくださ……い……」 「こすってほしいのか？　ぎちぎちに指を締めつけてくるが、痛くないのか……？」 　ぎこちない動きを助けるように、天音は足をくの字に立てて腰を浮かせた。それに応えて、隘路にねじ入れた指を恐るおそる進める。 　ほどなく、豆粒大の突起を探り当てた。鉤に曲げた指で引っかいた。