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第59話
「あ、ぁ、ん……そこ……そこが、おれがいっとう感じるポイントです……」
「言われなくても、わかる……内のうねり具合が、急にいやらしくなった……」
と、応じる声はうわずり、喉にからむ。軽く指をスライドさせると、内壁はふしだらに狭まって吸いついてくる。
ごくり、と喉仏が上下する。指を挿れたくらいのことで、こんなに淫らに蕩けて収縮するなら、わたし自身を銜え込ませたら、この美肉 はどんなふうに蠢いて、もてなしてくれるのだろう……。
官能の在り処を揉みしだくかたわら、乳首を食んで舐めつぶす。感じる、とよがり声をあげるところを二カ所同時に攻めると、内にさざ波が走り、茎が先端に露を結ぶさまが可愛らしい。
そう、快楽に忠実にふるまう天音は、実に可愛らしい。
「先っぽが、べとべとだな。下手な女より、いつもこんなに濡れやすいのか」
「野暮なことを訊いて、シラけますよ……口淋しいんです、晶彦さんのをしゃぶらせてくださ
い」
このやり方がいちばん興奮する──身ぶりを交えて、あけすけな言い方でねだられると、ファスナーを突き破って飛び出してきそうなほどに雄がそそり立つ。
わたしは膝立ちになった。ジーンズを乱して猛りを摑み出すのももどかしく、天音の顔を跨いだ。
四つん這いになるかたちで腰を落としていき、うっすらと開かれた口に怒張を突き入れる。
「おっきい、口からはみ出しそ……ん……」
わたしが知るかぎり、天音は滅多に感情を表に出さない。人形じみた面 を桜色に染めて一心に雄を頬張るさまは、それは大いに征服欲をかき立てられる眺めだ。
里沙は気位が高いうえに性的に淡白だ。口でしてほしい、と仄めかしたおりには、ぷいと寝室を出ていったものだ。
双子といっても性別が異なると、性的な面においてもこうも差異が生じるものなのか。こう言っては語弊があるが、天音は淫奔だ。口で昂ぶりを養うことに、ためらいをみせない。
えずいても眉根を寄せるどころか、口淫に耽ることに悦びを感じている証拠に、蜜がとろみを増す。
「それが、そんなに美味いのか」
「美味しい……ほろ苦いのがしみ出してきて、病みつきになる味です……」
一度唇を離すと、天音はあどけなく笑みくずれた。唾液にまみれた口の周りを手の甲でぬぐうと、陽根をあらためて口に含み、口腔の奥行きいっぱいに迎え入れたそれに、うっとりと舌を這わせる。
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