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第61話
同性だけあって愛技のツボを心得ている。くびれを吸いしだかれると、こちらが暴発しかねない。
腰を浮かせてインターバルをとった。射精感をやり過ごしておいて隘路でひしめく指を蠢かすと、
「やっ、挿れて……晶彦さんを挿れてください、ここに……」
天音は甘い声ですすり泣く。さらには進んでギャザーを解き伸ばしてみせる。
「もっとほぐさないと無理だと思うぞ。それに、ふつうはオイルか何かを塗るものなんじゃないのか」
「痛くても、かまわない。晶彦さんを早くじかに感じた……あ、ん」
そう言いつのると、昂ぶりに頑是なく頬ずりする。
身も世もあらぬふうにせがまれると嗜虐心を刺激される。美肉を貪ってやりたい、と下腹部が脈打つ。
しなう躰を抱き起こした。ソファの座面に上体を預ける恰好に這わせて、高々と掲げさせた細腰 を抱え込む。陰門に怒張をあてがって、進入する角度を調節する。おっかなびっくり先端をめり込ませた。
「……ぁ、つぅ……っ!」
もう一本、指を挿れてほしげに口をぱくぱくさせていたとはいえ、そこは、やはりこなれたとは言いがたい。弾き返されるようなきつい締めつけに遭って、わたしはまごついた。
力任せに押し入れば、襞が裂けて血まみれになるのではないのか? 二の足を踏めば、入り口がすぼむ。それで、なおさらカリがつかえてしまってニッチもサッチもいかない。
天音が首をねじ曲げた。微笑 いかけてくると、キスを乞うて唇を尖らせた。
くちづけて、わたしの味をまとった舌をねじ切るように吸い立てる。耳たぶを食みつぶし、その合間に乳首をこね回すと、圧迫感が薄れていく。
門が開いた。細腰を抱え直して、本格的にうがちにかかる。尖塔が埋没した。前に手を回して茎をあやしながら少しずつ体重をかけていくと、ずるりと、いっとう太い部分が内奥に分け入る。
「あ、あ、ぁあー……っ!」
穂先が快楽の芽をかすめたとたん、蜜が吹きこぼれた。顔を覗きこめば、天音は唇を嚙みしめている。
茎はぐずぐずに濡れそぼって、この瞬間に爆ぜてもおかしくはない。それでも刀身が鞘に収まりきらないうちに達するのは礼儀に反すると考えているのか、必死に我慢する天音が可愛い。
愛しい──と、さえ思う。
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