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「おまえこのあとプール入るの?」 「勿論です。見て、中はなんにも着てないから」  プールに入る気はあるぞ、というアピールで半袖のパーカーのファスナーを下ろして先生に見せた。  すると先生は目をかっぴらいて俺の上半身をじっと見つめていた。  あ、しまった。こんなの自分から裸見せてるようなもんじゃんか。なにやってんの俺。  気づいた頃は時すでに遅しで、先生がにたあと微笑む。 「ほんとにうっすい身体だな」 「み、見ないでください」 「自分から見せてきたくせになに言ってんだ、馬鹿か」 「この際馬鹿でもいいです……」  下げたファスナーをそっと上に上げて項垂れる。自分から見せることするなんてそんなの露出狂くらいしかいねえだろ。  別に筋肉がないわけではない。つきにくいだけで、勿論あるっちゃある。触ったらちゃんと固いし。    先生のことをちらっと見る。  薄手のパーカーを着ているから身体のラインがよくわかる。身体がめちゃくちゃ分厚いわけでもなく、ほどよく厚みがある。  半袖から覗く腕は綺麗に筋肉がついているし、こんなに近くで見てるのに体毛が一切ないように見える。  このひとが脱毛なんて通うはずがないから、きっと元の体質で毛が薄いひとなんだろう。だから余計に綺麗な身体に見える。  ……なんなんだそのハイスペックな身体……    すると見過ぎたのか、先生が俺の顔を見て苦笑していた。 「……なに」 「え、あー……俺だけ見せて先生は見せないのって卑怯だなあって」  卑怯とは思ってはない。ただ、単純に先生の筋肉への興味がある。  俺が遠回しで先生も見せろと言うと、先生は躊躇することなくファスナーを勢いよく下に下げた。  その下は俺が思っていた通り裸で、まず目に入ったのがうっすらと割れ目が入っている腹筋だった。  男性らしく6つに割れていて、バキバキというわけではないけれど誰が見ても割れていると言えるくらいの腹。 「……!?」  こんなに綺麗に割れ目が入っているとは思わなくて、先生の許可を取らずに腹筋を触る。  前に生地越しに触れた時とは違って、しっかりと固くて少し手のひらを滑らせるだけで凹凸を感じる。    本当に驚いて無言で手のひらを滑らせていると、先生が俺の手を掴んで制止した。 「擽ったいっつの。満足した?」 「……驚きで言葉が出ません」 「そんなにか」 「俺が知ってる怠慢教師を返してください」 「おお、面白いこと言うんだな」  俺の言葉に先生が笑い、俺が満足したのをわかったからかファスナーを上に戻していた。  改めて身体から顔に視線を移す。  こんなに綺麗に筋肉がついた身体の上に整い過ぎた顔が乗っかっているのは最早反則なんじゃないか。彫刻が泣くぞ。 「別にもっと触ってもいいけど、それはふたりきりのとき、な?」 「……あ、そうですね」 「引くなこら犯すぞ」  

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