7 / 76
第一章・7
ある日、白穂はいつものように美術室の窓から希を盗み見ては、絵を描いていた。
ところが今日は、何か体調がおかしい。
希の姿を描いていると、いや、見ているだけで身体が火照ってくる。
「あれ? 何か、おかしい、な……」
意識が朦朧としてくる。
吐く息が、熱くなる。
そして、身体の中心が硬くこわばり、疼いている。
「ま、まさか。これ、って」
発情!?
突然やって来た発情期に、白穂は焦った。
なぜだ、と思ったが、このところ毎晩のように希のデッサンで一人エッチしていたのだ。
性欲が高まっても、仕方がないだろう。
「や、ヤバい。何とか……、何とかしなきゃ……」
このまま誰かに出会うのは危険だ。
その人にむしゃぶりついて、腰を振ってしまいそうなくらい白穂は追い詰められていた。
しかし、そんな時ほど誰かが現れるものだ。
美術室のドアが開いて、人影が入って来た。
ともだちにシェアしよう!