12 / 76

第二章 モデルになるよ

「う……」 「お目覚めだね、白穂」  だんだんハッキリしてくる意識を、白穂は傍に腰かけている少年に集中させた。 「……結城、くん?」  結城くんだなんて、と希は微笑んだ。 「希、って呼んでよ。さっきみたいに」 「さっき?」  さっき、僕は。  結城くんをデッサンしていて……、急に発情して……。  それから……。 『結城くん、お願い! 僕を、僕を抱いて!』 「あ、あああ。あああああああ!」 「思い出したみたいだね」 「ご、ごめん! 何か僕、普通じゃなかった! ごめん!」  白穂はもう、この場から消えて無くなりたかった。  まさか、Ωの発情があそこまでだったなんて!  正気を失くして、ただ本能のまま性欲をぶつけた。  情を貪り、あさましく腰を振った。 「ごめん……」  もうそのまま、白穂は布団を頭から被ってしまった。

ともだちにシェアしよう!