16 / 76

第二章・5

「それに、ちゃんと話してくれれば、モデルになるよ」 「モデルに!?」  なってくれるの? と白穂は喰いついた。 「結城くんはみんなの人気者だから、僕なんかが頼んでも無理だって思ってたんだ。クラス違うし、話したこともないし」  そうだね、と希はスケッチブックを白穂に返した。 「でも、今は違う。お喋りもしたし、デッサンも見せてもらった」  あと、二人だけの秘密もできた。  それは先ほどまでの激しいセックスのことと解ると、白穂はかっかと火照った。  しかし、これはまたとないチャンスだ。  勇気を振り絞って、お願いしてみた。 「結城くん、僕の絵のモデルになってくれる?」 「喜んで」  その言葉に、白穂はのぼせ上った。  あぁ、これは夢なんじゃないかな!?

ともだちにシェアしよう!