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第二章・5
「それに、ちゃんと話してくれれば、モデルになるよ」
「モデルに!?」
なってくれるの? と白穂は喰いついた。
「結城くんはみんなの人気者だから、僕なんかが頼んでも無理だって思ってたんだ。クラス違うし、話したこともないし」
そうだね、と希はスケッチブックを白穂に返した。
「でも、今は違う。お喋りもしたし、デッサンも見せてもらった」
あと、二人だけの秘密もできた。
それは先ほどまでの激しいセックスのことと解ると、白穂はかっかと火照った。
しかし、これはまたとないチャンスだ。
勇気を振り絞って、お願いしてみた。
「結城くん、僕の絵のモデルになってくれる?」
「喜んで」
その言葉に、白穂はのぼせ上った。
あぁ、これは夢なんじゃないかな!?
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