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第四章・7

「大丈夫?」 「うん。もう平気」  希が体内から去っても、しばらく白穂は呼吸が乱れていた。  なだめるように希が体をさすってあげて、ようやく落ち着いたのだ。 「悦かったよ、すごく」 「僕も……、こんなの生まれて初めてだった……」  事後の身体が、どんどん重だるくなってゆく。  眠りの神が、訪れる。 「いいよ、このまま眠っても」 「でも……、シャワー浴びないと……」 「体は僕が拭いてあげるから。明日の朝、シャワーを使うといいよ」 「ごめん……、希……」  眠気には勝てなかったらしく、白穂はそのまま黙ってしまった。 「眠ってる、あどけない顔の君も好きさ」  希はウェットティッシュで、白穂の体を清めながら小さく笑った。

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