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第四章・8

 朝、白穂は自己嫌悪に陥った。 「特別な夜だったのに、寝落ちとか……ッ!」  もっとロマンチックに、希とピロートークとかしたかったのに!  体はきれいになっており、シャワーを浴びなくてもいいくらいだ。  だが、希の言いつけだからと、白穂はバスを使った。 「体中に、希の匂いが染みついてる気がする」  それはとても素敵な感覚で、湯で落としてしまうことが惜しかった。  石鹸で変えてしまうことが、惜しかった。 「でも、希も泊って行けばいいのに」  あんなに燃えた夜、明けて隣に彼がいないと妙に寂しかった。  今度、お泊りに誘ってみよう。  そんなことを考えながら、白穂はバスルームを出た。

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